一本刀土俵入 [燃え]
十年前、櫛、簪、巾着ぐるみ、意見を貰った姐さんに
せめて見て貰う駒形のしがねぇ姿の土俵入りでござんす
常陸の国、取手の宿にその大男が現れたのは、ある秋の午後の事だった。
その身の丈、実に6尺6寸(2m)。
大相撲の名横綱・雷電もかくやと思わせる見上げるほどの偉丈夫ではあったが、着の身着のまま、手ぶらな上に文無しで長いこと飯にありつけていないとみえ、ふらふらと彷徨い来た、といった風体だった。
偶然にもその土地の暴れん坊・弥八が、旅の若夫婦相手につまらない難癖をつけていた騒ぎに巻き込まれたその男。弥八にその風体から「物貰いか!?」と聞かれるとむっとして「角力(すもう)取りだ」と応えたまでは良かったが、突き飛ばされふらふらと呆気無く尻もちをついてしまう。
しかし続いて吐き棄てた弥八の侮辱の言葉に大男はゆっくりと立ち上がると、角力の立ち会いの所作から強烈な頭突きをかます。すると弥八はまるで手鞠のように吹き飛ばされ、あちこちにぶつかりながら転がっていってしまうのだった。
一文無しで今にも倒れそうなクセに、卑しい行為を頑として良しとしない男。
一連の騒動を宿の二階から眺めていた酌取り女・お蔦は、天涯孤独の彼が江戸で立派な力士になって母の墓前で土俵入りをして見せたいと語るとすっかり気に入り、戸惑う男に構わず幾ばくかの銭の入った巾着と櫛と簪の金目の物を気前よく譲るのだった。
「姐さん、きっと横綱になって今日の恩返しに片屋入(土俵入り)を見て貰います」
別れの際に何度も何度も惜しむように振り返っては頭を下げる男。
彼の名は、駒形茂兵衛と言った―
それから10年‥
物語は取手の宿に、旅人姿の見上げるほどの大男が現れるところから再び始まる―
デラシネマ [燃え]
作りもんじゃない―観てる人がまるで本物と見紛うような
惰性や過去の焼き直しじゃなく 伝統や慣習に縛られた「活動写真」じゃない―
本物の「映画」をつくりたいんだ!!(です!!)
昭和28年―
戦後の混乱期をようやく抜け出した日本。
この時代において国内で年間のべ十億人を動員した娯楽があった‥
それは野球でもプロレスでもなく「映画」。
今回ご紹介するのは国内の映画黄金期の京都太秦(うずまさ)を舞台に、その中で成り上がって行こうと誓い合った若き二人の青年の物語をご紹介します。
これがねえ‥アツいんですよ!
戦後の焼け野原から立ち上がり、これから高度成長期に向かおうとするその前夜の、日本人のうねるようなパワー。それが間違いなくこの映画を観る側にも、そして創る側にもあったのです。
主役の二人だけじゃない、むしろ二人にとって時に先生となり、時に立ちはだかる壁となり、時に互いに刺激を与え合う関係でもある脇役たちの存在。例外なく映画を好きだ、むしろ良い映画を撮るためなら命懸け!更には映画をこじらせて人格歪んじゃってる!というやつらがごろごろ出てきちゃう物語なのでございますよ。
ボールルームへようこそ [燃え]
ボールルームへようこそ(1) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 竹内 友
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/05/17
- メディア: コミック
自覚しろ お前は戦場に足を踏み入れた
これといった才能も、将来の夢も、やりたいことも見つからない…
中学3年生の富士田多々良(ふじた たたら)は、そんなごく平凡な自分にコンプレックスを抱える少年だった。
僕は、変わらなきゃ―。
焦りはするものの目先の進路すら決めかね常に自信なさ気な多々良。
ある日進路調査票に何も書けない彼が、ひとしきり職員室で担任に苦言を貰った帰り、町で謎のヘルメット男に連れ去られてしまう。
連れられて来た先はなんと社交ダンス教室。男はプロのダンサーであり教室のスタッフであった。
成り行きで無料の体験レッスンを受けることになる多々良。
「ふふ…僕なんかが社交ダンスって…」
あまりの場違い感に自分でおかしくなりながら見よう見まねで踊っていると、そこに現れたのは先ほど職員室で見かけた、同学年のとびっきりの美少女だった…!
プラモ狂四郎 [燃え]
シミュレーション ゴーッ!
京田四郎は万代(バンダイ)小学校に通う小学生。
プラモデルが大好きで、中でもガンダムが大好きな彼は友達の間でも「プラモ狂四郎」と呼ばれるほどであった。
ある日四郎は、行きつけの模型店「クラフト・マン」のマスターから「プラモシミュレーション」に誘われる。
それは作ったプラモ同士をシミュレーターに読み込ませ、頭にレシーバーをかぶることで、まるで自分がロボットに乗っているかのように戦うことができるというものであった…!
プラモ狂四郎の名は全国に轟き、日本のあちこちから腕におぼえのあるモデラーたちが狂四郎を倒さんとやってくる。四郎は彼らの挑戦を受け、親友たちとの協力や先輩モデラーの特訓などを経て、ガンプラスピリットをそなえた立派なガンプラモデラーとして成長していくのであった!
長歌行 [燃え]
国民クイズ [燃え]
君の望みを聞かせてくれ!!
ドオン!!
静寂と闇に包まれたステージに、一条のスポットライトがあたる。
その光の中には派手派手しいスーツと蝶ネクタイの男が一人。
右手を高らかに掲げ、決して照明のせいだけではない熱狂を宿すギラギラした目を
テレビカメラに向けながら、宣誓するが如く朗々と声を響かせる―
「全国1億3千万人の個人主義の皆様!! お待たせしました!
日本政府が1年365日!日本全国津々浦々までリアルタイムでお送りする
史上最大!空前絶後!前代未聞で痛快無比!!
その他ありとあらゆる賞賛の4文字熟語の嵐を受けて 本日もここに―
『国民クイズ』の時間がやって参りました!!」
途端、ステージの照明が一斉に点灯し、カメラは響き渡るオーケストラの荘厳な音楽をBGMに
この日のために全国から集まった500人もの回答者たちが居並ぶ巨大な回答者席の全景を映し出す。
「国民クイズ」 それは、日本の議会制民主主義に取って代わり、
クイズに勝ち抜いた者の「欲望」を唯一絶対のものとして政策に反映させることができる
革新的なエンターテインメント型国家意思決定システム!
そして司会のK井K一は今宵も、欲にまみれギラギラしたスタジオの回答者たちを、
更には日本全国の視聴者たちを天国と地獄、興奮と熱狂の渦へと連れて行くのだ―!
トップをねらえ! [燃え]
トップをねらえ! (1) (角川コミックス・エース 341-1)
- 作者: かぼちゃ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/08/03
- メディア: コミック
…違います 勝ちたいのは今までの弱い私…
私 もう自分にだけは負けたくないです……!
2015年12月20日―
外宇宙へと旅立った人類初の超光速船ルクシオン艦隊は
突如出現した謎の宇宙怪獣の襲撃によって全滅した。
艦隊の艦長であったタカヤ提督の一人娘・ノリコは後に憧れの父の遺志を継ぎ、
宇宙パイロットを養成する沖縄女子宇宙高校に入学する。
しかし入学してから1ヶ月後には、体力はあるものの宇宙で使用する
マシーン兵器の操縦が壊滅的に下手なノリコは、父親の不名誉な戦死から
「全滅娘」とあだ名されるいわゆる落ちこぼれになっていた。
そんなある日、沖女に軍からやってきた新しい講師が着任する。
その男の名はオオタ・コウイチロウ―
烈しく、厳しい彼の前で失態を演じたノリコはたちまち目をつけられ落第の宣告を受けるが、
親友・キミコの応援と全生徒の憧れの先輩、アマノ・カズミの激励を受けて
オオタに汚名返上のチャンスを願い出る…
間近に迫った宇宙怪獣との対決。
後に人類存亡を賭けた戦いに身を投じるノリコの、これが伝説の幕開けであった―!
真・女神転生デビルチルドレン [燃え]
真・女神転生デビルチルドレン (1) (講談社コミックスボンボン)
- 作者: 藤異 秀明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/03
- メディア: コミック
コール!!
先日ご紹介した「ダンボール戦機」のコミックの作者・藤異さんのWikiを眺めていたら
「児童誌のベルセルク」の異名をとったとされるこのタイトルを見かけ、いてもたってもいられず
即日お取り寄せしてみました。
…いや、すごいですw
コミックボンボンで連載されていたにも関わらず死体の山をもりもり築きあげる暴力表現!
そしてダンボール戦機の時にも増して筋肉モリモリ~でカッコイイデビル&仲魔たち!
しかも私はプレイしたことはないのですが、デビルチルドレンの原作のストーリーとは
キャラの設定から物語の展開自体も所々異なるらしいです。
もうちょっと年齢層上の少年誌に掲載されてもおかしくないんじゃないかな。
それくらい私にとっては衝撃的だった作品をご紹介します。