アーサー・ピューティーは夜の魔女

アーサー・ピューティーは夜の魔女 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

• 作者: 木々津 克久
• 出版社/メーカー: メディアファクトリー
• 発売日: 2011/03/24
• メディア: コミック

この偽善者め…お前が世界を滅ぼしたんだ!!　お前こそ…お前こそが悪魔だ!!

それは新種のバクテリアだった。
それは空気に乗ってたちまちのうちに人々に寄生し、
空気を媒介として全世界に広まるのにさして時間はかからなかった。
いわゆる感染爆発（パンデミック）である―
それから、それまでの世界は一変した。
感染したモノたちは政府高官、財界人、文化人などに次々と襲いかかり、
未だ感染していない者たちを容赦なく殺害する血の暴徒と化す。
街は、化け物たちの巣窟となった―
「なんでこんなことになっちまったんだか…」
感染者たちの目を盗んで街に入り、どうにか手に入れた食料の詰まったザックを抱えて、
男はおどけたような口調でそう呟いた。
今しがた子供の感染者に突き立てられた鉛筆を忌々しげに引き抜くと、
男は彼の帰りをじっと息を潜めて待っている、女主人のもとへと急ぐ。
そこも遠からずヤツらの追跡の手が及ぶだろう。じっとしているわけにはいかなかった。
安全な場所なんてあるのか…
突如始まったサバイバル。
それは、全世界60億の人々が一斉に牙を剥く、絶望的な旅路の幕開けだった―

コミックフラッパーにて連載。
チャンピオンREDにて「フランケン・ふらん」も連載中の、ホラーコメディを得意とされる
木々津克久さんの新連載をご紹介します。
いや～　やられたなぁ！(;´▽｀A``
第1話がよくて、どう説明してよいやら…
ネタバレしないほうが楽しめるので、ぼんやりしたレビューになりますがご容赦の程を…



突然現れて、たちまち世界中を席捲した謎のバクテリア―
それはそれまでの社会のありようを変え、衆人環視の下で殺害されたA国の大統領を始めとして
各国で勃発する暴動の火種となった。
お話としては、その凶暴化した人々からの逃亡生活を余儀なくされた女主人のアーサーと
その従者である隻眼の青年・アタルが、各地で“同胞”と出会いながら、
この大騒動の原因を探る旅を続ける、というもの。



突然人々が自分たちに牙を剥き、それに対する有効な対抗策もなく、
アーサーとアタルはひたすら安住の地を求めてあちこちを転々とします。
出口の見えない逃亡生活ですが、ヒロインのアーサーが「賢い深窓の令嬢」みたいなカンジで
事態を素早く把握する能力に優れているかと思えば、従者のアタルに甘えたり頼ったりする面も
見せたりする何とも可愛らしいキャラクターなんですよね～
彼女の“同胞”たちも賢いんだけどどこかヌけていたり、でも親近感を持つと
どこか根本的に普通の人間とは異なる発想や視点をもってもいて、
これがホラーコメディを得意とする木々津さんの作品の面白みなんだろうなあと思えます。
ある重要な部分は伏せているので伝わってるかどうか微妙ですけれど、
立場を逆転させて見せる　お話作りはお見事！
なんたって「感染者」って呼称がいいよなあ。
面白いダークファンタジーですよ～


関連コミック→ ヘレンesp

コメント 6

おおっ。これまた面白そうなお話ですな。ゾンビ系とかまた違うのかな。
by サワダ (2011-03-25 10:31) 

いわゆる ゾンビ系ではないです。でもそこがキモなんです( ´ ▽ ` )ﾉ
by meriesan (2011-03-25 11:28) 

読みました。これはやられたな〜。
1話以外もよくできたお話ですしね。
しかしこれ、上手く紹介できないな。
by サワダ (2011-04-13 15:50) 

お気に召しましたか！
よく考えられてるなあっていう印象が強いマンガでした。
まあ読んでくれ！系のマンガかもしれないですね。
by meriesan (2011-04-14 04:29) 

後から知ったんですが、「ヘレンesp」っていう作品と同じ漫画の作者なんですね。しかも最後に出てるのヘレンちゃんなんですよね。昔読んでたのにまったく記憶から抜けてて気づかなかった。「ヘレンesp」も面白かった（記憶があります）。読んだことなければぜひ。
by サワダ (2011-04-14 09:17) 

お、そうなんですか。
読んだこと無いので探してみまっするヽ(‘ ∇‘ )ノ
by meriesan (2011-04-15 04:47)