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淀川ベルトコンベア・ガール [ハートフル]


淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)

淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)

  • 作者: 村上 かつら
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/04/28
  • メディア: コミック


ともだちを ください!!
歳が近くて 服の話とか 彼氏の話とかできて それから…


大阪淀川―
毎朝高校生達が通学している淀川の土手を逆に
職場の油あげ工場へと うつむいて歩く少女がいる
彼女の名前は かよ 今日 16歳になった―

月刊!スピリッツで連載
以前ご紹介した「サユリ1号」の著者・村上かつらさんの新作です
Twitterでマンガを読まれる方たちの間でちらほらと好評価なのを拝見したので読んでみました
「サユリ1号」では男女の恋愛観を抉り出すような作品でしたが
今回は「孤独感」が ひしひしと伝わってきます

高校進学を諦め 福井から単身 油揚げの会社で
住み込みのパートをする日々を送る かよ
理由は明らかにされませんでしたが 何らかの家庭の事情で
自身の生活のためにひたすらベルトコンベアの前で油揚げを追う毎日
学生の間で最近はやっている「願掛け」で かよは 「同い年の友達」を願った

淀川の土手を学生達とは逆に歩くかよの絵
もういきなり 幸薄そうな感じの切ない風景がたまりません
「願掛け」をしたその日 かよの働く油揚げ工場に
明らかに周囲とは雰囲気の異なる同い年くらいの女の子・黒崎那子が入ってきて
性格も住む世界も異なる二人が打ち解けていく様子が描かれていきます

中でも見どころは かよの中学時代の友人が訪ねてくるエピソード
高校にも通わず 周囲が自分とは全く異なる年代の大人たちと日々働いているかよが
卑屈なくらいにその友人に合わせていく様子
そして彼女と合わせていくうち その友人も似たような寂しさを抱えていることを知り
「さみしさに負けたらあかん」と元気付ける様子は 形は違えど那子にもあって
人の中にいるのだけれど感じてしまう言い知れぬ孤独感を描き出そうとしているようです

img218.jpg
大阪の人の喋るカラっとした言葉遣い
油揚げ工場で働く先輩で 姉のような存在のスミ江さん
そしてなにより かよちゃんがひたすら ええ子でオブラートに包んではありますが
でもチクリと身に詰まされるようなテーマを持ってくる 村上かつらさんらしいお話です



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