楽屋裏 貧乏暇なし編

楽屋裏 貧乏暇なし編 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

• 作者: 魔神 ぐり子
• 出版社/メーカー: 一迅社
• 発売日: 2011/07/25
• メディア: コミック

「そういうワケなので新連載として楽屋裏の続編を…」
「先月終わったばっかりじゃねえか　アホか!!」

魔神ぐり子さんの罵倒系漫画家マンガが満を持して帰って来た!!ヽ(‘ ∇‘ )ノ
…って言っても前回の楽屋裏の最終回からほとんど間をおかずの連載再開。
もしや掲載誌のゼロサム読者の大好評を受けてカムバックかと思わせきや…！？


（注:編集長）
…実に楽屋裏らしい理由でした(;´▽｀A``
魔神さんの心中はどうあれ、とにもかくにも連載再開は喜ばしい限り。
既にご存知の方はこのまま本屋さんへGo！
なんじゃいなって方には以下でご紹介させていただきますね。

月刊コミックZERO-SUMにて連載。
ゼロサムといえば、ガンダムOOでキャラクターデザインも手がけ、
ファンタジー方面では絶大な人気を誇る高河ゆんさんを筆頭に、
「最遊記」の峰倉かずやさん、「Landreaall」のおがきちかさんなど、
そうそうたる先生方が集まる主に女性向けファンタジーものが集まった雑誌です。
その中にあって一際異彩を放つというか、鬼っ子というか…
ドラゴンも騎士も前世の因縁も一切を寄せ付けず、ムダに長いキャリアをもつものの
鳴かず飛ばずのまま隙あらばぐうたら生活を望み、それを編集に対して臆面もなく出してくる
とある女性漫画家・魔神ぐり子さんと、そんな彼女に手を焼く何故か剣道の面をつけた姿で
描かれる担当編集・小柳さんとの主に電話での日常的な罵りあいを描いたマンガが
この「楽屋裏」という4コママンガなのです。


（アレとはコレのことだと思われます(;´▽｀A``）

何が良いって〆切りギリギリになって小柳さんが原稿の進捗具合を聞くと、
まったく悪びれもせず全く進行していないと応えるばかりか、そのうえ
今忙しいからかけてくんなくらいの罵声をかけられてしまうこの魔神さんの無敵さ加減ｗ
もちろんそうくるなら小柳さんも負けてはいません。ありとあらゆるバリエーションで
フザケンナコノヤローとっとと原稿送ってきやがれ！！的な発言を電話口で返す、
このやりとりが実に息ピッタリで面白いんですよ。
それ以外にもマンガのネタ出しのために超個人的な魔神さんの出来事を聞かされて
小柳さんを困惑させたり、かといえば小柳さんが〆切の短い仕事を平気で魔神さんにねじ込み、
魔神さんの罵倒を涼しい顔で受け流したり、このおよそ仕事の話をしているとは思えない
遠慮の無さすぎるほぼノンフィクションな話がいいんですよねえ。

今回はそんな以前からの楽屋裏のノリはそのまま引き継ぎつつ
（なにせほぼ間を置かずに続編描いてますし(;´▽｀A``）
のっけから実に様々なイベントが目白押しです。
担当編集・小柳さんがご結婚された上に編集長になるウルトラCをやってのけたり、
仔猫を拾った矢神さんの子育てライフが描かれたり、
時事ネタらしくあの震災の日の話がやっぱりコメディチックに描かれたり、
タイトルどおりここ最近のお忙しい日々でヘロヘロになった魔神さんの奇行など、
よくも自らヒキコモリを宣言する先生にこれだけのイベントが巻き起こるなと
驚くばかりです。
今回は特に仔猫ネタが多いので、猫好きな方にはそのやんちゃっぷりと
仔猫に振り回される魔神さんたちが見物ですよ。



後ろ1/4ほどは穴埋め的にゼロサム誌の増刊WARD誌に掲載された、
デビューから10年経つもいまだに連載をつかめない魔神さんの友人兼アシスタント・
井上さんを主人公にしたマンガ「漫画家デビューはしたけれど」が収録されています。
魔神さんの拾った猫を引き取ったことから、こちらは更に輪をかけて猫マンガと化してますが、
根が真面目そうな井上さんが魔神さんの傍若無人ぷりに毒づくやりとりも遠慮が無くていいですよ。

今回残念なことと言えば名物だった帯でしょうか。
この帯は内容を掴むにはピッタリだとは思いますけど、
なんか他の作家さんからの推薦文で本の2/3を隠してしまうような
前シリーズのあの悪ふざけしちゃってる帯を期待しちゃうんですよね。
でも中身は（良い意味で）いつもの魔神さんと小柳さんですので、
引き続きこのマンガはお薦めいたしますよ～


魔神ぐり子さんのHP → 魔神ぐり子の 鳴かず飛ばず