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B SCENE [青春/自分探し]


B SCENE (武富智短編集) (ヤングジャンプコミックス愛蔵版)

B SCENE (武富智短編集) (ヤングジャンプコミックス愛蔵版)

  • 作者: 武富 智
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/03/20
  • メディア: コミック



「EVIL HEART」の武富智さんの短編集を読みました。
この短編集は2003年に「A SCENE」と同時に発売され、比較的爽やかな青春ものが集まった作品集を
「A SCENE」に、そして切な系のお話を集めたのが今回ご紹介する「B SCENE」と
はっきりとカラーが分かれています。
AとB、そして今年発売されたCと、全部同じ人から出てきたお話なんだなあと
受ける印象の違いが面白かったりしました。
ちょこちょこと感想を書いてみようと思います。

ヤングジャンプ等に掲載。
6篇の物語が掲載された短編集です。
私はABCと3冊発売されている武富さんの短編集をC→A→Bの順で読んだことになるのですが、
まずこの本を読んで他とはかなり違う毛色に戸惑ってしまいました。
中にはAやCにあるような爽やかものなどもあるのですが、
退廃、渇望、不安、未練、怒り、後悔など心の底に溜まる負の感情と、
それを埋め合わせようとするようにいくつかのお話で身体を重ねる描写が出てきます。
なんかこう…傷の舐めあいというか、先の無い退廃的なというか、そんな情交シーンが
描ける人なんだなあという意外性が強く印象に残っています。

お話としては特に6篇のうち半分となる3篇を占める、とある片親同士の親が再婚して
兄妹となった二人の物語が印象深く、麻薬中毒で義兄を刺してしまった父の娘・春美ちゃんが、
入院中の義兄のことにかかりっきりな義母の態度に孤独を募らせていくお話や、
とある満たされない気持ちを抱える若妻さんに結果的に弄ばれちゃう、
義妹と比べるとずっと瑞々しい反応をする清くんのそれぞれの物語が1編ずつと、
まだ家族になっていない頃の偶然出会った二人の物語が収録されています。

img241.jpg

なんだろう。思い返せば他の作品でも似たような構図はありましたけど、
この本では特に「子供のように純粋でバカな男」と
「心の裡に満たされない想いを抱えながら男を受け容れる女」
の対照的な描き方が多くてそこが個人的には好きなのですが、
見せ場のシーンのインパクトという点では物足りなかったかなと思いました。
C SCENEではこの兄妹が再登場したりしますが、やはり似たような感じに見えて
見せ方が全然違う。
えぐり出すような負の表情はC SCENEが出るまでの8年間で
相当な進化をしたんだなと感じました。

img242.jpg

武富智さんのblog → SNAMAN
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