COMITIA101 同人誌感想2 [同人誌即売会]
即売会名: コミティア101
開催日: 2012/9/2
メディア: コミック
今回のレビューから同人誌の内容の一部と、主に購入時に添付される著者さんの近況や宣伝が掲載されたペーパーのイメージを載せてみることにしました。
こういったレビュー系ブログでは度々話題にのぼる「著作権」や「引用の範囲」の絡みや、著者さんや出版社ごとの是々非々の話とか、ブログを運営する者としては度々それなりに迷いながら今の形でやらせて頂いているのですが、やはり殆どの方が趣味で活動されている同人作品については、商業作品よりも更に自分の欲求と掲載される側に生ずる可能性のある抵抗感への不安に思い悩むところではあります。ひとえに自身の拙い文章で作品の面白さを伝えきれないもどかしさから、今回の変更に踏み切りました。
「作品の宣伝にもなるんだしいいだろう」みたいな独善的なことを言うつもりはさらさらございません。
飽くまで私自身がこうしたいと思った結果ですので、もしも「これは‥」と著作者の方などよりご連絡をいただけましたら可及的速やかに削除させて頂きますのでコメント欄やTwitterのmeriesan宛などにダイレクトメッセージなどを頂ければ‥と思っております。
それでは2回目のレビュー参りましょう!
すこやかペンギン
あめ玉オクテット
ファミ通DS+Wiiで『街へいこうよどうぶつの森とんぼ村だより』の連載などをされ、間もなく新連載も始まるというマンガ家イラストレーターの霜風るみ(ふかさくえみ)さんによるサークルです。
今回は新作は無かったのですが、ティアズマガジンで前回頒布されていた短編再録集「あめ玉オクテット」が紹介されていたので久々に立ち寄らせていただきました。
ティアマガでも挙げられていましたが、この本は描きおろしで最初に収録された「世界はきみの色」という作品がとても印象的なんですよ。
好き合っているのに素直になれない男の子と女の子の胸キュンものの4コマなんですけど、互いの気持ちに気づいた瞬間それまでモノクロで描かれていたコマがぶわっとフルカラーで描かれるという。ワンポイントになっている色の使い方がいいんですよね。告白した恥ずかしさに思わず目を背けてしまう男の子の顔だけ真っ赤に染まっている画とか胸キュン度数をいやがうえにも引きあげてくれるのです。
普通のフルカラー作品も収録されています。「そらいろカクテル」では色にこだわったお話しにもなっていて、フルカラーであることの価値を引き出そうとする作品作りが明確で素敵だなと思えるんですよね。
すこやかペンギンさんのウェブページでの自家通販やComic ZIN、とらのあなでの取り扱いもあるようです‥が現在はどこも完売してますね。(^_^;)
再販の予定はあるようですので、購入してみたい方はすこやかペンギンさんのウェブページをチェックすると良いようです。
【既刊感想】
さよならパンプキン/K・A・M
サマーギフトくらぶ
やさしいおじいちゃん
前回のコミティア100で「ヴィジュアル系」と「同人サークル」というある種異世界のものを融合させ1本ドラマを創りあげてしまったサマーギフトくらぶさんの新刊でございます。
28ページの中に4本のショートコメディが収録されていて前半の2本はとある山奥で秘かに伝承され続けているという伝説の「少年寺拳法」を学ぶ弟子と師匠のボケツッコミな会話劇。
「もうお前に教える事はなにもない」といかにも中国拳法のドラマとかに出てきそうな温和でヒゲの師匠。
しかし弟子のシンネンが学んだことは一見修行とは関係ないもののように見せかけたやっぱり関係ないことばかり。そんなボケボケな師匠に学んで数年を過ごしてしまった弟子が、この寺で身につけた唯一の事とは‥!?
そして2本目は道場破り的な鎖鎌使いの挑戦に師匠が舌鋒鋭く珍妙な会話で言い負かしてしまうという拳法関係ないじゃん的やりとりが描かれます。
その他にもフランダースの犬のあの名シーンを舞台にパトラッシュが「サイ」に置き換わったコミュニケーション不能のグダグダ劇であるとか、どんなものでも確率を計算できる機械に囚われた男女が、「確率77.7%の事象を言えたら開放されるが66.6%の事象を言ってしまうと爆死する」ゲームをやらされる話なんていうのは結構面白かったです。「2枚組CDケースの開閉部分の根元が半年以内に折れる確率」とか、なんかどうでもいいけど確率って言われると妙に知りたくなるような事象のチョイスが。(^_^;)
コミケ等で頒布されているプリキュアの二次創作同人誌は委託販売されているようですが、こちらの同人誌は即売会での直接販売のみのようです。
【既刊感想】
ヴィジュアル系同人サークル
スダミ屋(SIESTA)
サクラ姫ネリマ証券
前回4年ぶりの新刊上書き少女が大好評で委託を扱っていたComicZINでは通販・店頭共に瞬殺だったというSIESTAさんの新刊は「これを読むと金融商品の基礎知識が多少は得られるかもしれないマンガ」。
金融商品?投資信託? ‥ほぇ?
と全く知識も興味もゼロな私みたいなのを対象にしているのでみなさんもご安心あれ。
高校時代に生徒会長と演劇部部員としてなにやら因縁のあったらしい二人が地元の資産家の娘と証券会社の営業として再会し、あれこれ金融商品のカラクリについて大雑把に解りやすく、かつ面白く(ここ重要)解説してくれるマンガとなっています。
お話はほぼ全編ネットにてサンプルとしてアップされておりますので、ともあれそれをご覧いただくと良いかと思いますが、著者の須田さんがこのマンガを描いたきっかけが「親が退職金を得たと同時に銀行員がやってきて金融商品をお薦めしてきた」というもので、なるほどなあと。別に私みたいに宝くじにすら手を出さない人間でも考えないといけないような状況になりうるんだなあと。かといってこれを読んで投資信託に手を出そうとかそういう衝動に駆られることは全くないのだけれど、「中身がよくわからなくても何故か買う人がいる」と作中で語られる商品の商売のカラクリを追うお話は新鮮で面白かったですよ。
Comic ZINで委託販売されているようですよ。
【既刊感想】
上書き少女
The Lostwomen
PRIVATE WORLD Vol.5
「30才から始まる青春があったっていいじゃないか」
70-80年代ロックを趣味にする30代男・長野慶と、
妙に気が合う隣人で変人の女・佐々倉雪子との青春物語第5弾。
前回から新たなメンバー斉藤さんを加え、今回は超初心者の3人で始めるバンドの課題曲を決めたり、初スタジオ練習したり、ザ・ボーイズというロックバンドの来日ライブに3人で繰り出したりと多彩な内容。
バンドをやろうと言ったはいいけれど、形だけが先行して中身(バンド練習とか)が一向に進まないのでは、という長野の不安をよそにゆっくりとですが進んでいきます。バンドメンバーが社会人だと、しかも仕事でも中堅の立場になっていく30代という年齢からしてもこのバンド活動がどこまで続いていくのか、続けていけるのか不安だらけではありますが、性格が全く異なる3人が互いに刺激しあってモチベーションを高め合っているやり取りがいいんですよね。ザ・ボーイズの曲を知らない斉藤のために3人でレコード収集マニアの長野の部屋に集まって徹夜で曲を聴きこみライブに臨むとか、3人で肩組んでライブを聴くとか‥ 若い、‥若いなあ!
こちらの作品は著者のウェブページでも公開されています。
今回収録分は今のところまだ1話分(第14話)のみ公開されていますが、いずれあとの2話分も公開されると思いますのでマメにページを覗くといいかもです。
【既刊感想】
PRIVATE WORLD 1 2
PRIVATE WORLD ~IT'S COLD OUT SIDE
PRIVATE WORLD Vol.3
PRIVATE WORLD Vol.4
2012-09-06 23:00
nice!(1)
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