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フランケン・ふらん [スリル/サスペンス]


フランケン・ふらん 1 (チャンピオンREDコミックス)

フランケン・ふらん 1 (チャンピオンREDコミックス)

  • 作者: 木々津 克久
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: コミック


術式を開始する!

人里離れた森の奥の洋館―
そこは第二次大戦中に生化学部隊に属し、その外科的技術は死者をも呼び戻すと言われた
世界トップレベルの頭脳を持つ斑木直光(まだらぎなおみつ)の研究所だった。
しかし彼は現在行方知れず。代わって主の不在を預るのは、ふらんという可憐な少女だった。
彼女はその美しい顔を縦横に走る縫い目と、耳の上から電極のようなものが生えてはいるが、
虫をも殺さぬ明るい笑顔。そして何より直光ゆずりの天才的な技術と知性を受け継ぐ
氏の「最高傑作」なのだ。
そして彼女はその称号に恥じない人々のあらゆる身体的悩みに即応する技の冴えに加えて、
依頼人の真の願望を 深く 深く 洞察する力は、時に悪魔的でさえあった…

チャンピオンREDにて連載。
本日はここ最近集中して作品を拝見している木々津克久さんの代表作をご紹介しようと思います。
こちらでは以前に最新作 「アーサー・ピューティーは夜の魔女」 「ヘレンesp」 もご紹介していますが、
この作品が最も氏の嗜好性というか、作風を特徴付けているアクの強い作品でございます。
グロ注意です(;´▽`A``

さて、この作品の特徴ですが私の印象では「美少女」
+某図かずおのホラーテイスト
+手塚治虫のブラック・ジャック的なやや斜に構えたヒューマン・ドラマ
+トンデモ理論に基づくグロテスクな施術とそれに込められたブラックなコメディ
を足して4で割ったカンジでしょうか。。
一見可愛らしい天才美少女が、一般的な人間の善悪や常識が欠如していて
効率重視、目的のためにのみ先鋭化しすぎるものを作るため、
しばしばグロテスクな結果を迎えるブラック・コメディと言い表せばいいのかな…?
表紙はなんかちょっと色っぽいのに、カバー裏は…ねー(;´▽`A``

アーサー・ピューティーではそのものが出てきましたが、
「猿の手」のエピソードが正にこの作品のカラーを象徴しています。
普段はふらふらとしたおぼつかない足取りで、セリフも弱弱しい吹き出しに
間延びした「●●ですね~~」という口調。いかにも腹に一物ありそうな依頼人の
安っぽい人情話にはらはらと涙をこぼす感動屋なのですが、その実相手の
真意を的確に見通し、施術の時は一転して驚異的なスピードでこなしてみせるのです。
結果、依頼人は言葉どおり自分の願望は叶うんだけど、
代わりに何かもっと大きなものを喪うという結末を迎えることになります。

img056.jpg

稲光をバックに描かれるおどろおどろしい洋館に、継ぎ接ぎのある美少女、
そして人面犬の青年に全身が武器に代わるふらんの妹、
全身包帯でミイラのようにぐるぐる巻きにされた女性など、
出てくる少女は皆目がぱちくりした可愛い美少女なんだけれど
油断をすると喰われてしまうような、喰われるだけならまだしも
生きて意識のあるまま別の生物に変えられてしまうような、そんなコメディ。
ふらんを私欲のために利用しようとする人間が破滅する話はもとより、
他人を思いやる純粋な願いが「エゴである」とでも言いたげな皮肉なラストを迎えるもの。
かと思えば、姿は異形に変化したけれど、当事者にとっては幸せな笑顔を見せるものも。
うまくいきそうに見えるとあげ足をとられて悲惨な結末を迎えるので、
段々とこちらも懐疑的な読み方をするのですが、時折そう見せかけて
もう一捻りして幸せな結末を迎えたりする筋書きが実に刺激的です。
多少なりともグロ耐性が無い方にはお薦めいたしかねますが、面白いですよ。

img057.jpg

あ、個人的に自分を改造人間にしてくれと願う某ライダーのパロディみたいなのが
出てくるエピソードが結構好きです。
モチロン、存分にブラックな味付けがされていますが(;´▽`A``

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コメント 2

サワダ

むむ…。おれも買うかな〜。
グロそうだから遠慮してたんだけど。
by サワダ (2011-04-25 14:52) 

meriesan

悪趣味なくらいグロくはありますね。
でも時折コメディ的なグロだったりするので、
凄惨という表現にあたるものは少なくはありますが…
by meriesan (2011-04-25 15:04) 

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