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ふしぎなメルモ [コメディ]


ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集 (280))

ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集 (280))

  • 作者: 手塚 治虫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1984/09
  • メディア: コミック


アラ うっそー!! どうしよう

昨日ご紹介した「メルモちゃん」に続いて、手塚治虫さんの描いた原作を読んでみました。
これは1970年~1972年まで連載された作品で、最初は「ママァちゃん」というタイトルで
小学館の学習雑誌「小学一年生」や「よいこ」で連載されていました。
途中アニメ化されて主人公の名前が「ママァちゃん」から「メルモちゃん」に変更されたのに伴い、
1971年10月号からアニメのタイトルに合わせて「ふしぎなメルモ」に改題されたそうです。
今回は福山けいこ版と引き比べながら、原作「ふしぎなメルモ」をご紹介してみようと思います。

冒頭、「ふしぎなメルモ」はメルモのお母さんがプレゼントを持って
家路を歩いているシーンから始まります。
そこへ背後からやってきた高級そうな車に轢かれ、お母さんはあえない最後を遂げてしまいます。
背中から天使の翼が生えた姿で天国の神様のところにやってきたお母さん。
メルモの待つ家に帰りたいと神様に訴えるものの、お前は死んだのだからと
神様はここで暮らすよう伝えます。
しかし年端もいかない子供たちだけを遺しては諦めきれないとすがる母親に、
神様は「ではその子を大人にして生活させればよい」とミラクルキャンデーを
娘に渡すことを許可するのです。
…身体は確かに大人になりますけど、頭の中は子供のままだということを考えると
ムチャなことを言っているわけですが(;´▽`A``
とにもかくにもお母さんはそのキャンデーを持って、夕暮れまで家のベランダで
お母さんを待ちわびるメルモちゃんにキャンデーの効用を伝えると、
お母さんはいつの間にかメルモの前から消え、キャンデーの入った瓶だけが遺されるのです…

img919.jpg

福山けいこ版ではこの冒頭のシーンが大分変更されています。
新橋のおばさんの家で過ごす最初の夜に姿を現し、駆け寄るメルモちゃんを
笑顔で抱きしめるかのような動作はするのですが、無言のまま消えて
後にはキャンデーの瓶が残されている…という演出です。
母がこの世ならざる者であることを強調しているということでしょうか。

原作ではこの後、弟のトトオちゃんと共に二人だけで両親のいない家に暮らし続け、
時折お母さんを思い出したり、授業参観や運動会などで親がこれないことを
クラスの男の子にからかわれたりして寂しそうにすることもありますが、
隣のおばさんが様子を見にきたりして概ね通常の生活を営んでいる様子が描かれています。
この大好きなお母さんがいなくて寂しい、というシーンに関しては福山版では
面倒見の良い家にいることもあってかなり薄らいでいます。
逆に原作では寂しそうにする姿がすごく抱きしめたくなるような絵なんですよ。

トトオちゃんは9歳のメルモちゃんよりも更に年下ですが、知恵の回る子らしく
キャンデーのことを聞きつけ、若返ろうとやってきたメルモちゃんの知らない
自称・親戚のおばさんに対して、似たような大量のキャンデーを用意し、
おばさんがキャンデーの食べすぎで腹を壊して家から逃げ出すよう仕向けたりします。
トトオちゃんは今のところ福山版には出てこないようですね。
登場キャラクターで言えば、原作では福山版で出てきたお馴染みの手塚キャラを
大量に投入することはしていないので、福山さんのそれは手塚治虫さんの作品を
懐かしく読む人向けのサービス要素のようです。

キャンディの効能も若干原作と福山版とでは異なります。
原作では10歳年をとったり若返ったりするのは一緒ですが、
年をとる際に自分の好きな大人をイメージするとそれに変身できる力もあります。
特に成長する際に例えば「スチュワーデスになりたい」とイメージすると
服ごと変身できるので、後の魔法の国からやってきた変身ヒロインのようなお手軽さで、
メルモちゃんが成長して服がパッツンパッツンになるシーンは冒頭の1回しか無(ry

img921.jpg

お話の方もここぞという時だけキャンデーを使って変身する福山版に比べ、
原作はメルモちゃん以外の人間がキャンデーを口にすることが多く、
強い相手を無力化するためにメルモちゃんが相手の口に放り込むこともあれば
メルモちゃんがうっかり瓶ごと落としてしまったキャンデーを、拾った誰かが食べて
幼児化してしまうオチも結構あります。学校の先生が拾って職員室中の先生が
全員赤ん坊に戻っちゃったりとか勝手に食べるなよ(;´▽`A`` とツッコミたくなる
シーンはありますが…w

原作は1回8ページ程度、19話ほどで完結しています。
最終回は特にこれといった物語上の盛り上がりがあるわけではなく、普通のエピソード。
福山版はどのようなラストを迎えるのか楽しみです。


手塚治虫さんの公式HP → ふしぎなメルモ紹介ページ
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