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銀のスプーン [ハートフル]


銀のスプーン(1) (KCデラックス)

銀のスプーン(1) (KCデラックス)

  • 作者: 小沢 真理
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: コミック


いっただっきまーす!

母さんが入院することになった―
3年前に父さんは亡くなり、女手ひとつで僕らを育ててくれている母が、
検査入院ということで、家を空けることになった。
家に残されたのは、今年高3で受験生の僕と、
中学1年生の弟の調(しらべ)、そして小学6年生の妹・奏(かなで)。
当初検査後すぐに帰ってこられると思われたが、意外と長引くとその影響はまず僕らの食生活に出た。
入院する前に母さんが作り置きしてくれたカレーとシリアル…
それは好き嫌いというよりも、まだまだ甘えたい盛りの二人に母の不在を印象付けるのだ。

「なんか… つらいこととかあっても おいしいごはん食べたらとりあえず元気でるもんね」
母さんと二人で「これから」の話をしてきたその日、
街で偶然出会った倉科さんの言葉が不意に思い起こされた。
うん そうだね
『いっただっきまーす!』
二人のために作った初めての僕の手料理は、二人の好みの味を加えただけの
料理と言うにもお粗末なものだったけれど、それは何日かぶりのほっとするひと時だった。
(あしたはもっとちゃんとしたごはんを作ろう…)
これからもふたりの笑顔を見るために。

Kissにて連載。
今回は、これまた直球どストレートな「家族」をテーマにしたコミックをご紹介します。
多読で知られるコミックのレビューサイト「マンガ一巻読破」にて好評だったので読んでみました。ヽ(‘ ∇‘ )ノ

「ごはんをつくろう ふたりの笑顔を見るために」
「ふたりの笑ってる顔が見たいから 僕は今日から台所デビューです。」
…ぇー
この帯のコピーがなあ…(;´▽`A``
なんかもう いかにも「ハートフルー!」ってカンジがして、
発売日当日は正直敬遠していたんですよね。
話の前後の流れをトばして、いいところのフレーズだけを抜き出しても
なかなかキャッチーにはならないなと。
なぜそんなことを言うかというと、中身を読むとすんなりとその物語に惹きこまれるから。
背が低く髪の毛も薄い一族の中で「早川一族の至宝」と呼ばれるほどにすらっと背が高く、
頭も良く、ルックスも良くて家族に対する愛情が深い、まるで天の使いのような孝行息子・律。
そんな彼が、母親の検査入院で元気のなくなってしまった弟と妹のために
毎食手料理をつくることで、二人が笑顔になってくれることに喜びを感じるという物語。

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まずなんと言っても律君がとにかくイケメンで家族想いなんですよね。
物静かだけれど、他人のために「こう」と決めたら他人が反対すると分かっていても、
自分の意志を物怖じせず言える性格で、ファンクラブこそ無いけれど、
学校では男子からも女子からも好かれるという…
もうどこの聖者様だよ!ってかんじ。(;´▽`A``
でもこのマンガが辛うじて「聖書」にならずにいられる要素としては、
偶然出会ってから律君が日々の家事に必要な情報を得るために頼りにする女の子・倉科さんや
彼女が所属する、頭のリソースをBLのカップリングを考えることに多量に振り分けている
女子の漫研部員のような存在が良い感じで中和してくれます。

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そして家族想いの兄に対して、弟と妹も部活にレッスンにと普段どおりの生活を送りつつも、
律兄の料理の手伝いをしたり、ごみ出ししたりと自然と協力し合っていく空気が出来上がっていくのです。
特に奏ちゃんはすっかりお兄ちゃん子で、律君がなにかと連絡を取って頼りにする倉科さんに
子供っぽい対抗意識を燃やしたりしてなんとも…(;´▽`A``

とにもかくにもお話のメインディッシュは律君がそれぞれのエピソードで
二人のために作る手料理です。
3人で食卓を囲んで両手をきちんと合わせ、「いただきます」と言うシーンは
家族の絆を感じさせる儀式めいたおごそかな雰囲気を感じさせてもくれます。
今まで料理を作ったことも無い人が、ケシズミみたいな失敗作を作る
みたいなエピソードは無く、律君の「努力」の部分は、さらっと流して湿っぽくしないのも
悪くないなあという印象を持ちました。

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