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群緑の時雨 [青春/自分探し]


群緑の時雨 ① (MFコミックス フラッパーシリーズ)

群緑の時雨 ① (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 柳沼 行
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: コミック


形あるものだけが誇りであるとは限りませんぞ霖太郎さま!
心の内に秘めた強い意志にも武士としての誇りはあるのですぞ!!


江戸の町が開かれて間もない 江戸時代初期―
隣国・式桜国との小競り合いが続く、士々国の貧しい武家で育てられた中谷霖太郎は、
父親が戦場で背中から斬られて死んだという不名誉な噂で他の武士から蔑まされていた。
それでも霖太郎は、似たような家庭環境をもつ親友の府介と家老の家のお転婆娘・伊都らと共に
その幼い胸に武士の誇りを刻み、まっすぐ生きようとする…

コミックフラッパーにて連載。
宇宙飛行士を目指す少年少女の姿を描き、アニメ化もされた「ふたつのスピカ」の著者が、
連載終了後に日本一周旅行などをしながら1年半ぶりに開始した新連載は、江戸初期の武士の物語。
コミックナタリーでの柳沼行さんへのインタビューが、それほど漫画家であることに
こだわりを見せない人柄を垣間見せてたりして意外に面白かったです。
こういう方もいらっしゃるんだなあ。

さて、今回は「誇り」をテーマにした物語ということで、
4歳の頃から今の両親の家にやってきて、父親が不名誉な戦死を遂げた
武家の息子・霖太郎が主役です。
近所の年の近い武士たちにバカにされ、その屈辱にじっと耐える日々。
しかし、夫の死後病に臥せっても尚
「家は貧しくなっても、己の誇りを忘れずに生きていてくれればそれで良い」
と願う母親や、身の回り一切をやってくれている源吉じいさん、
そして霖太郎と同じく親と死に別れて、知人の武家に養子となった親友の府介らから、
どんなに不名誉な噂を立てられようと自分の記憶に有る優しくて誇らしかった父親の姿を胸に
自分の誇りをしっかりもつことを教えられていきます。

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この方の漫画は私、初めてになるのですが、面白さで言うならまだ「何ともいえない」感じです。
主な原因はお話の進行がゆっくりしていることが挙げられますが、この幼少時代で
きっちり見せるべきものを見せて、本筋での地固めをしている印象がありました。
巻の最後の方では盛り上がりどころもありますが、絵柄や作風なのか
それまでのお話は比較的フラット。次巻以降がどうなっていくのか、
2巻がでてから購入を検討されるのも悪くないのかな、という感じでした。

キャラクターの中で一番好きになったのは士々国家老の8番目の娘という、
いわゆるお嬢様の伊都さんです。
とにかく いじいじうじうじしている霖太郎とそれをそっと支える同じく分別のある少年・府介の
二人に対して、伊都さんの破天荒な活躍っぷりは、著者の柳沼さんもインタビューの中で
「勝手に動いてくれる」ほどに分かりやすい完成されたキャラクター像です。
柳沼さんの描く可愛らしい絵柄もありますけど、我流でひたすら剣に打ち込み、
この辺りでの同年代の中には、彼女に抗しうる腕前の持ち主はいないとすらいわれています。
その腕前はいくつもの戦場に参加したという、廃寺に住み込む隻眼の素浪人も舌を巻くほどで、
彼女がなぜそれほどまでに入れ込むのかという理由と共に、実にまっすぐでひたむきで、
でも「女だてらに」とか「女ごときに」という目で見てくる男社会に敢然と乗り込んでいく
猪突猛進ぷりがたまりません。(;´▽`A``

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