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大砲とスタンプ [コメディ]


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大砲とスタンプ(1) (モーニング KC)

  • 作者: 速水 螺旋人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/22
  • メディア: コミック

責任問題ですよ!

時は戦時下。
大公国には陸軍 海軍 空軍の他にもうひとつの軍があった
補給をはじめとした後方支援を主な任務とする兵站軍。
前線で戦うことのない彼らを 他の兵士たちは「紙の兵隊」と呼んで嘲笑った…

敵「共和国」との戦線にほど近い前線基地「アゲゾコ要塞」
そこに新しく着任したのはデスクワークと懐中汁粉をこよなく愛すマルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉。
しかし着任早々彼女は兵站軍のあまりのズサンさに愕然とする。
弾薬の補給を要請すればウォトカを送り、機械油を頼めばラードが届く。
要塞内では「犬より劣る」と呼ばれる兵站軍の惨状にマルチナは憤る。
「責任問題ですよ!」
かくして突撃タイプライター・マルチナの奮闘が始まる。
紙の兵隊とあだ名されるけれど、立派に書類で戦争してるんです!

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もぼちぼちとマンガのご紹介を挙げてまいりますのでぼちぼちとよろしくお願いします~

さて、新年一作目はソ連・ロシアをこよなく愛す漫画家・イラストレーター速水螺旋人さんの単行本をご紹介します。
主にTRPG雑誌などでご活躍されている方のようで、可愛らしいキャラクターイラストと、それに合ったどこかまるっこい愛嬌のある戦車などのメカニックを描かれる方のようです。私自身はいわゆるミリタリーマンガとかはあまり好んで購入するほうではないのですが…いや、むしろ戦争で使われるメカの用語や組織の話などの基礎情報が殆ど解らないので避けていると言ってもいいくらいなのですが、舞台となるのが戦線ではなくデスクワークを主な仕事とする後方支援の「兵站軍」であるという点に興味を惹かれて読んでみました。
前線で戦う兵隊ではないので敵との知恵比べとか燃える戦闘シーンとかは無く、どう描くのかと思ったのですがこれがなかなか面白い!その見所をご紹介してみようと思います。

舞台はロシア風の雰囲気のある架空の世界。
そこでは大公国と帝国が同盟を組んで、共和国と戦争を続けている真っ最中。
主人公は大公国に属する士官学校を出て間もない新米女性士官 マルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉。
彼女は短髪でメガネの結構な跳ねっ返り娘で、書類至上主義のおカタい性格。
少しでも指令書に違反するようなことがあれば現場のコワモテの指揮官であろうと「責任問題ですよ!」と詰め寄ることを怖れません。
そんな彼女が同期の中でも最初の任地入りだと意気揚々と着任した前線基地・アゲゾコ要塞で見たものは、なんともズサンな兵站軍の現状!電話で要請のあった物資の連絡は書類に書き起こされることも無く口頭で伝えられ、見事な伝言ゲームで全く違う部隊に、全く違う物資を届けるよう指示してしまうことがアタリマエという信じ難い状況だったのです。すぐさまマルチナは上官にぎゃんぎゃん苦言を申し立て、書類をまわしてもらうようはからってもらうのですが…

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お話は戦時下の軍隊の物語なのですが、むしろ「左遷と認識されている日陰者の部署に、行動力のある思い切りの良い新人がやってきて部隊が変わっていく」というカンジの青年誌、とりわけ「お役所仕事」とか「官僚」とかのキーワードが絡む「踊る大捜査線」だの「起動警察パトレイバー」みたいな面白さが魅力。
敵は共和国ではなくて軍の不正をしている上層部だの、兵站軍に廻ってくる無茶な命令書だったりするわけです。そこをマルチナを含む軍の連中が独立愚連隊よろしくドタバタの末にどうにかうまいこと立ち回って解決(?)する、というお話なんです。
主人公のマルチナは書類至上主義。これは大抵の場合主人公の足を引っ張る融通の利かないキャラクターとして出てくるイメージではありますが、言いたいことはきちんと筋を通してはっきり言うし、あまりに理不尽なことに対しては、良心に従う柔軟さはもっています。そのうえで一生懸命なところとか新人ゆえの真っ直ぐで即行動に移すことができる性格とかはなんとも気持ちがいいものです。
マルチナ以外の上官のキリール大尉や部下の軍曹など、同じ兵站軍の連中もはじめこそやる気の無い状態でマルチナを煙たがりますが、ある事件をきっかけにマルチナを仲間と認め一緒に行動をするようになっていきます。特にキリール大尉は度々暴走しがちなマルチナを抑えたり、時にはマルチナの性格ではやろうと思わないちょっとブラックで老獪な手段でトラブルを解決して見せたり、なんだかんだで部下思いの性格なのがこれまたかなり好きなキャラクターです。やっぱ組織内で立ち回るにはこういう脇役が光るよなあ~

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戦争シーンこそ少ないものの、特徴的な兵器や要塞、輸送列車などのギミックが毎回出てきます。
なんだか凄そうなんだけど重大な欠点のある珍兵器が出てきたりして、妙に愛嬌のあるメカニックも必見。
おススメでございますよ!


速水螺旋人さんのHP → 空とぶ速水螺旋人

ちなみに…
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ご近所のスーパーで「懐中しるこ」を見かけたので買ってみましたのよ。
へー実在したんだ~とか思っちゃいました。
…世間知らず(^_^;)
マルチナさんが持っているものよりもずっとお上品な感じではありますが~

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マンガ中の説明によると
1.まず最中の中身をカップにあけて
2.お湯を注いだ後に
3.最中を割り入れて浮かべる
とありましたが、袋の説明書では袋を開ける前に最初に砕いてしまうのだそうな。
確かにその方が早そう。
今回はマンガの通りに作ってみようということで最中をぱかりと割り、汁粉をカップにざらざらーっと入れてみましたが、上下の最中がある程度くっついてるので、ナイフを入れるなどしないと綺麗には割れません。
あと最中の粉もポロポロ出るので、こだわりがなければ袋の説明書どおりにはじめに砕くのがよさそう。
(…といってもマンガを再現するためにやってるのだからぱかっと2つに割りたいよね(^_^;))

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カップに湯を注いで最中を手で千切って浮かべ、スプーンでまぜまぜ…
ちょっとだけ置いておくと、最中のカケラが汁粉を吸って、あぶらげみたいにふわっふわになるんですよ!
ウマーイ!!

最後カップの下に汁粉がどろっと溜まってしまうみたいなので、よくまぜまぜするのをお勧めしますよ。
甘党の私はどろりとした汁粉も好きですけどね!

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