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ヘタッピマンガ研究所R [コメディ]


ヘタッピマンガ研究所R (ジャンプコミックス)

ヘタッピマンガ研究所R (ジャンプコミックス)

  • 作者: 村田 雄介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/06/03
  • メディア: コミック


目一杯混乱して迷ってジタバタするしかないですよきっと!
連載してまで人に伝えたい何かを持ってないとプロになるのは難しいと思いますけど
その辺の事って本人にしかわからない事ですから誰にも助言なんてできないはずなんですよね


以前私は2回だけ、同人誌即売会に自分の描いたへたっぴなマンガを販売したことがありました。
それはごくごくありふれた美少女ゲームのとあるヒロインをメインに据えた二次創作もののマンガで、
夏休みの宿題はいつでも最終日に取り掛かる派の私が開催日直前に初めての修羅場を
経験しながら思ったのは
「全然思ったような絵が描けない!!」
という、まさに絶望的な気分でした。
もうね、あれ?あれ?って、自分の頭の中に描かれたもやもやっとした成功イメージが
いざ現実に原稿用紙の前で手を動かそうとすると全く具体的に浮かばない。
無知でド素人もいいところでした。(;´▽`A``
でもその時自分がやっとこでっちあげた50部のプリンタ本は奇跡的に完売し、
次の即売会では漫画的な技術が全く無いことを痛感したことから、
自分がそれまでホームページなどで公開してきたイラストをかき集めてでっち上げた
イラスト本は逆に1部も売れず…
自分の予想の逆の結果に、当時はがっくりしてそれで終了してしまったのですが、
今にして思うと、最初のマンガはまがりなりにも物語にすることで
お金を払ってまで手に入れたいと思わせる力がちょっとはあったのだと思うのです。

さて、長い自分語りをしてしまいましたが、今回ご紹介するのは以前週刊少年ジャンプで連載され、
アニメ化もされたアメフトマンガ「アイシールド21」の作画担当・村田雄介さんによる
「マンガの描き方」のハウツー本でございます。
「ペンの種類」とか「キャラクターの描き方」とか、世の中にごまんとあるマンガの技術書に共通の
村田さんなりの作画上のテクニックの話題もあるのですが、それよりなにより
セリフの端々に散りばめられた、マンガ家を目指すうえで必要な覚悟のようなものを感じる
村田さんのメッセージが、当時の自分が果たしてこれほどまでに真摯に、そして謙虚に
マンガと向き合っていただろうか(反語) と悶絶させずにはいられませんでした。

週刊少年ジャンプにて連載。全1巻。
「ヘタッピマンガ研究所」は、1982年から連載していた鳥山明さんが連載していた
マンガのハウツーに関する本で、少年ジャンプ40周年記念の企画として
今回の「R(リターンズ)」として復活したものです。

お話としては、方々から小間使い的に使い倒されることに
嫌気が差した漫画編集者・齊藤君が、脱サラして漫画家になろうと
村田さんに漫画の描き方を教わりに押しかけるというシチュエーションで、
主に村田さんと齊藤さんの掛け合いが面白くもタメになるハウツーモノ
というカンジで進んでいきます。
Gペンだとかカブラペンだとか…道具はこれこれがいいとか
道具や画力を上げるための練習法の話だったり、幕間には1ページくらいの
コラムのようなスペースがあって、そこでより技術的な話や
漫画を描き上げるまでの手順、更には集英社を例にして
用意されているデビューまでの流れなど、漫画家を目指す
少年のための情報が一そろい紹介されています。

img179.jpg

しかし単純な漫画読みとして読んでいる私としては前半も面白おかしく
進んでいくのでいいのですが、見所という意味ではそれはやっぱり後半のほうで、
村田さんが集英社に持ち込んだときの体験談とか、
「トリコ」の島袋光年さんにキャラクターの生み出し方を聞いたり、
「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博さんにお話の作り方を聞いたり
時折「脳噛ネウロ」の松井優征さんが村田さんの回想で出てきたりします。
そこで語られる人気漫画家さんの漫画に対する向き合い方が
体験談を通して描かれていて面白いんですよね。

そして様々なハウツーや諸先生方のインタビューを経て、ラストのお話で村田さんが
齊藤さんに最後に教えるアドバイスは…

img178.jpg

そのセリフにこめられた意味がぶっちゃけて語られる展開がなんともアツい!
「なんかマンガを描くコツを教えてくださいよ~」
と実に短絡に村田さんに教えを請う齊藤さんに、結局はこういうことだよね
というアドバイスなワケですが、それを含めて全体としては正直初心者で
プロを目指す人向けというよりは、既に漫画家目指して描いている人を
意識して描かれている内容だと思いました。
それだけに実質漫画らしきものを描いた経験僅か1回の自分であっても
その仰るところは納得できるし、その真摯な姿勢に羨望をおぼえたり
するのだろうなと思いました。


特設ページ → 週刊少年ジャンプ公式サイト
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