日々ロック [青春/自分探し]
思い出も おもかげも あなたのことも まるで全てがうそだったかのように…
まるで全てが…
新幹線は速すぎる 新幹線は速すぎる 新幹線は…
彼の名前は日々沼拓郎 17歳 高校生
学校では勉強できない、彼女もいない、ついでにいじめられっ子な彼だけど、
いつだって心にはROCKがあった。
独りで浮かれて始まりもしなかった儚い恋も、
死にそうになりながら死ぬほど後悔しているその時も、
そう、ギター1本さえあれば
喉から言葉がほとばしり
クソッタレ!と叫ばずにはいられない―!!
週刊ヤングジャンプにて連載。巻末の作者のお話によると、
全1巻7話のようですが、①ということは続刊あり?
冴えない男の子が、クソッタレ!と叫ぶ青春ストーリー。
帯に「モテキ? モテキなんてねえんだよ、バカ野郎ッ!!!!」なんて書いてあるから
なんかモテないヤツの僻みとかどうしようもないドロドロしたマンガかなあ?と
若干悩みながら買ってみました。
1話なんてまさにそんなお話し。
手に取りたくて仕方ないものが手に入らなくて
「あの葡萄はきっとすっぱいに違いない」的な。
会社でスキマ時間にそれだけ読んで、微妙にいたたまれないカンジになりつつも
家に帰って2話目以降を読んだらこれが面白い!!
何がいいって彼のROCK魂がイイ!
何がROCKかといえば、普段はいじめにもひたすらガマンしてただ嵐が去るのを待つばかりの彼が、
自分の大事にしていること、即ち音楽や友達をバカにされたり軽んじられたりした時、
震えながらもしかし敢然と、立ち上がることが出来るところ。
そして何をするかといえば、彼がすることは歌うこと。
そう、彼は溢れる心のたけを暴力ではなくひたすら即興の歌に込めるのです。
その時の彼の必死な顔。
そして喉の奥からギャートルズの叫び声よろしく立体的に描かれて飛び出す歌詞が
うねりをもってほとばしるのです!これがすごい!
音楽を音の出ないマンガで表現する時、歌の場合には歌詞で表現することができます。
このマンガでも日々沼君=日々ロックが即興で歌い上げる歌詞が出てくるわけですが
それが手書きの文字で腹の底から湧き上がる叫びは、うねったり跳ねたり
弱々しい歌はか細く不安定だったりと、その文字の大きさ、色、形を様々に工夫して表現してくるんです。
これがイイんですよね~
お話し自体は正直言ってしまえば単純です。
普段は冴えない男子が、いざという時に心に響く曲を歌って相手の心を動かしたりして
解決したり解決しなかったりする青春ストーリーです。
でもとにかくアツいんです。
特にいじめられっこ仲間(?)に誘われて文化祭のコンテストで優勝して
いじめっ子の鼻を明かしてやろうとバンド仲間を集めていく終盤は、
これまたお話自体は大味なんだけど、どうしても日々ロックが歌うシーンで
ぐわーっと引き込まれてしまうんですよね。
是非観てみてほしいです。
それから余談ですが、YouTubeでいくつか、劇中歌を歌っている方がアップされているようでしたので
コミックを読まれた方は聴いてみるといいんじゃないかと思います。
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