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今際の国のアリス [スリル/サスペンス]


今際の国のアリス 1 (少年サンデーコミックス)

今際の国のアリス 1 (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 麻生 羽呂
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2011/04/18
  • メディア: コミック


つまり…この国で生きていたければ…オレ達はこれからも…
自主的に「げぇむ」に、参加し続けなければならないのか…!?


くだらねー日常からの解放
現実逃避、中二病、ピーターパン症候群…
呼び方なんかカンケーねぇ…
どこでもいいからよ。どっか知らねー国にでも行きたいと思ったことはないかい?

オレの名前は有栖良平(アリスりょうへい)。世間で言うところの「落ちこぼれ」ってヤツだ。
恋活だの受験だの昨日観たTVの番組だの、
そしてぼんやりと『将来の漠然とした不安』だの…
出来のよい弟に比べ、立派な「不肖の息子」である俺にはとても付いていけるシロモノではなかった。
「ああ~ なんかこのクソッタレな日常が劇的に変わらねーかな…」

あの日未明の空に上がった季節はずれの花火。
それは唐突に訪れた異世界への狼煙だった。
気付くと俺たちは人気の絶えた街にいた。車一台すらなく草が生えて荒れ放題の道路。
何故か見渡す限りの廃墟となった街…夢でもいい。
俺は悲観するどころかむしろ、日常のくびきから解放されたことに無邪気に喜んでいたんだ。
この非日常の世界に潜むモノに気付く、その時までは…。

週刊少年サンデー超増刊にて連載。
著者の麻生羽呂(あそうはろ)さんはかなりの旅行好きで、
前作の連載「呪法解禁!! ハイド&クローサー」が終了してからは、
車中泊・自給自足をしながら日本一周旅行を敢行したり、
本作の連載開始直前に結婚され、初回が掲載された雑誌が発売された日には
ヨルダン新婚旅行の真っ最中だったというほどの旅好きな方なのだそうです。
本日はそんな麻生さんが描くサバイバル・サスペンス 「今際の国のアリス」をご紹介します。

いわゆる「終末系」の舞台に、「死のゲーム」が組み合わさったお話です。
突然の花火と共に、気付いたら自分達以外の人の気配が絶えた街にいた
有栖とその友人である苅部(かるべ)、張太(ちょうた)…。
まるで他の人々が全て砂にでもなってしまったかのように、埃っぽく、かと思えば
電気こそ通ってはいないが、店員はなく商品だけが残されたコンビニなどで
当面の生活は確保できている世界…
現実的なものの見方が出来る苅部をよそに、落ちこぼれだった有栖と張太は
うるさい親とかあれやこれやから解放されてウレシー!とはしゃぎます。
当然これには裏があって、有栖たちはとある無人の夜店が立ち並ぶ神社で、
突如現われたモニター越しに、負ければ全員死亡という「げぇむ」に巻き込まれることになり、
そこでようやく自分達が実は危険な世界“今際の国”にいることに気付くことになります…。

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昔から優秀な弟と比べられ、コンプレックスを抱え続けてきた有栖。
そのためかやや捻じ曲がった性格の彼は、安易な快楽に流されがち。
まだ断片でしかありませんが、この「今際の国」で望むと望まざるとに関わらず
「げぇむ」に参加する人々は、皆、なんらかの生きづらさや悩みを抱えている人々のようです。
突如見知らぬクローズドされた世界に連れてこられて死のゲームをやらされるという作品は、
奥浩哉さんのGANTZや福本伸行さんのカイジ、謎解き的な要素の強い作品としては、
個人的に私が好きなミステリー作家・米澤穂信さんの「インシテミル」など、
主に「ゲーム」という一見楽しげな言葉を当てはめつつ、その実は人間心理をえぐり出すような
究極の選択を迫る物語が多いのですが、この作品では「生きづらさ」を抱えた
キャラクター達がどのような葛藤に晒されるかのかが見所になると思います。
その点で言えば、1巻ではまだ“今際の国”とはどういうところか、
そして「げぇむ」に負けるとどうなるのか、そういった部分が描写され、本格的なドラマパートは
その次の話から始まっていくようです。

img043.jpg

いざという時には誰もが気付かなかった驚異的な観察眼を持つ有栖。
しっかりしたモノの考え方を持ち、自ら体を張って周りに頼られるリーダー的存在の苅部。
有栖の悪友で、お調子者で気が弱く、なんとはなくトラブルメーカーになりそうな張太。
今際の国で3人と合流した“げぇむ”の参加者の一人で、
隠された目的を持っているらしき女性・紫吹(しぶき)…。
この作品が面白いかと言われれば、まだこの世界のルールを紹介されただけの段階なので
なんともいえませんが、それぞれに心の闇を抱えて生きてきた彼らが、
生きて元の世界に戻るために団結していくことでどのような成長を遂げていくのか…?
今後の展開が気になる作品でした。

…そういえばどうでもいいことかもだけれど、このタイトルの元であろう「不思議の国のアリス」の
ファンタジー的要素はこの先でてくるのかなあ…(;´▽`A``

麻生羽呂さんのblog → 麻生羽呂の日本全国サバイバル旅行!!
Webで読む → WEBコミック クラブサンデー
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