ユンボル [アクション]
大工事時代―
それは 人類の復興の時代
かつて自らの手によって世界の全ての資源を使い果たした「大搾取時代」から
殆どの人口を喪うに至った人類は それぞれの国を復興するべく力強い重機の音を響かせていた
工事の力がステータスとなるこの時代に 国王の信頼厚い ドヴォーク重機士団の隊長・バルは
復興工事の最中 世界を征服せんとするゲンバー大王の突然の出現と
裏切り者の手によって命を落としてしまう
それから5年後―
バルは謎のリーゼントの科学者 Dr.ドカルトの手によって
少年のような姿の 重機人間ユンボルとして甦る
しかし故国ドヴォークはゲンバー国によって征服され既に亡く
バルは亡国の姫となったリベッタ・グンテ・ヘルメート・ドヴォークと共に
ゲンバー王を打ち倒し ドヴォーク再興の闘いを始めるのだった―!
少年ジャンプにて2007年に連載
これにウルトラジャンプでの読みきりを加えた
「安全版」として上下2巻で発売されました
代表作「シャーマンキング」を連載した武井宏之氏の
土木工事に関わる重機などの味付けがなされたバトルマンガです
購入のきっかけは 「重機」+「バトル」でドカコックみたいなネタ感を期待したからでした
しかしその思惑は外れてしまいました(;´▽`A``
両手に巨大なシャベルカーのシャベルにも変身する3本指のマニピュレーターを装備し
重機に負けない強力なパワーを得た「ユンボル」なる人造人間に生まれ変わったバルは
Dr.ドカルトの死後 ゲンバー大王につき従う 他のユンボルたちと死闘を繰り広げます
やはり少年誌の作品だけあって 普通にバトルマンガでした
「工夫(クンポー)」と呼ばれ ユンボルたちの力を引き出すことのできる
重機の形になぞらえた格闘技が存在するなど 妙な設定もあって
それによる対決を 大真面目に熱く 描ききるところは少年誌の好きなところですね~
重機類のメカデザインもカッコよく
華奢に見える少年の身体に ゴツくてでかいアームがくっついていたり
敵が乗り込む巨大な虫を思わせる奇怪な重機のメカは
部分部分は重機のアームだったりするのに
全体ではきちんと虫にまとまっているところが凄いなあと思わせてくれます
殊に優れた戦士であり土木工事のスペシャリストでもある重機士たちが乗り込む
アースムーバー(EM)と呼ばれる キャタピラを立てて脚のようになっている
ロボットたちのデザインはいかにも ロボットもののアニメとかに出てきそうな姿です
上下巻の2冊ということで
バルと同じく強力な能力を持つ11体の敵役のユンボルも
紹介だけされて 結局戦うのは2体だけと 広げっぱなしになってるお話と
「オレたちの戦いはまだまだこれからだ―!」
的な消化不良はあって ストーリー的には正直 う~ん…という感じなのですが
メカのデザインや世界の情勢 特にゲンバー王国の周辺国の征服の歴史など
やたら設定が深くしっかり造りこまれ ひとつの世界が出来上がっているところは
普段青年誌を読む機会の多い私にはかなり新鮮でした
ウルトラジャンプで装いも新たに ユンボルが新連載されるそうで
新天地ではこの深くて広い設定を余すことなく 使い切って描いて欲しいなと思います
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