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きもちのかたち [恋愛]


きもちのかたち 桜井家作品集上巻 (キュンコミックス)

きもちのかたち 桜井家作品集上巻 (キュンコミックス)

  • 作者: 北尾 タキ+みとうかな
  • 出版社/メーカー: コスミック出版
  • 発売日: 2009/07/17
  • メディア: 単行本


心が誘惑されて…揺らいでる
男の子になりたい訳じゃなくて 女の子しか好きになれなくて
それでも人に異常だと思われたくない


北尾タキさんと みとうかなさん
二人が同人サークル「桜井家」で発表した同人誌「TACT」。
そこに収められたそれぞれの女性同士の恋愛を描いた作品が
全面改稿され2分冊となって商業誌で発行されました。
高校生同士、そして女の子同士の恋。
マイノリティであるがゆえの心の引け目。
とりわけお二人の物語はいずれもかつてトラウマになるほどに
苦い経験をしてきた少女達の、揺れる恋心を描いた物語でした。

今回この作品を私が知ったのは自らレズビアンを公言される方が
百合マンガを評している貴重なblog 「BLND」さんの記事を読んででした。
詳細に物語のポイントを切り取って「ここがいい!」と指し示していらっしゃるその書評は
門外漢である私に様々な気付きを与えてくれます。

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さて、今回の本は上下巻の分冊となっていて、北尾タキさん、みとうかなさんのそれぞれの作品が
「TAKI PART」と「KANA PART」として1巻に半分ずつ掲載されるという体裁をとっています。
お二人の物語はそれぞれに独立した物語ですが共通点も多く、特に
主人公が過去に別の女の子と付き合った(付き合おうとした)経験があり、
最終的に相手から拒否された(されたと感じた)という結末を迎えている、ということと
それが故に互いに付き合い始めてからも「また相手に拒否されるかもしれない」と
相手を信じきれずに揺れる気持ちが描かれている点です。
これはリアリティを重視する百合マンガであれば必ず出てくる
「マイノリティであるがゆえの不安」とでもいうべき重要なテーマで、
これを北尾さんと みとうさんのそれぞれが、それぞれのアプローチで
かつての苦い経験を乗り越えて心を開いていくまでの過程を
「ガチで」描ききったところが素晴らしいのです。

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そして二人を応援する名脇役がいるところも共通しています。
相手を好きであるがゆえに昔のように相手に拒否されることを恐れ
自縄自縛となってギクシャクしてしまう二人の仲を、二人の共通の親友である女の子が
「何過去に縛られてんだ!相手はこんなにもお前のことを思っているんだぞ!」
と手厳しくも底なしの友(愛?)情でもって主人公を叱咤する、その存在がなんと頼もしいことか!
恋する二人だけの世界ではない、第三者にも応援される恋物語ってもうたまりません。
ことに世間的にはやっぱりマイノリティになってしまう女性同士の恋ならば尚のこと。
同性だから気軽に「お泊り」もできるけど、やっぱり周囲をどうしても憚ってしまう恋。
だからこそ その思いは強く、純粋で、こんなにも胸を打つんでしょうね。

機会があれば是非ご覧になってみてください おススメです!


桜井家のHP
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