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コジカは正義の味方じゃない [コメディ]


コジカは正義の味方じゃない 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

コジカは正義の味方じゃない 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 小原 愼司
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/04/23
  • メディア: コミック


うちは貧乏だからっ バイト増やせてラッキー位のもんなのっ 放っといてっ

こういうのって日本人特有なのかなあって思いました。
その気になれば凄い能力を持っているのに、
極々自分の身近なことにしか使わない小市民な主人公もの。
それは例えば10万するドロップハンドルのスポーツ自転車を買ったのに、
遠出をするでもなくスーパーへの買出しくらいにしか使わないような…
なんなら前籠がなくて不便だなくらいの使い方。
影から影へ瞬時に移動し、そのうえマンションの5,6階まで一気に跳躍し、
走る速さは人間が風が通り抜けたのかと錯覚するくらいズバ抜けているのに
その能力は赤貧の一家を支える朝夕の新聞のスピード配達に使えてよかったなみたいな。
そんな小市民コジカちゃんの物語でございます。

コミックフラッパーにて連載。
全身真っ黒な影のような姿に赤い瞳、バックはオレンジと実に印象的な表紙。
本屋さんで一際目立ったこの漫画は、ある日超人的な能力に目覚めた人々が現われはじめ、
今となってはある程度そういう人たちが世間に受け容れられつつある世界―
食べ盛りの弟と、しがない絵物語作家の父を支え、日々バイトに精を出す高校2年のコジカが
自分に身についた異能力を「もう一つバイトを増やせる」と喜ぶ程度のことに使っていたところへ
その能力に目を付けた人たちがやってきてドタバタするというコメディ。

img064.jpg

「世界の平和より明日の米!」とばかりに
自分の超常的な能力を何とか生活費の足しに出来ないかと
考えているコジカちゃんの小市民っぷり。
これに加えて成績優秀・スポーツ万能、家は金持ちでおまけにイケメン、
でも重度のヒーローオタクで、超人になりたい一心で毎日立ち木に拳を打ち込む
鍛錬を欠かさないガッカリな白鳥くんがコジカにまとわりつくことで、
現実的にして小市民なコジカと、「正義」という名のロマンに憧れる白鳥君という
二人の価値観のちぐはぐさが見所です。

そのほかにも、「異能力者の中でも特別」といわれるコジカに比べて
「他の異能力者達」の能力のしょぼさも面白い。
「顔中毛だらけ」であるとか、「首が50cm伸びる」というどう活かしていいかわからないものや、
中には念じることで瞬間移動ができるものもあるのですが、
準備のために歩いたほうが早いと言えるほどの手間ひまと、
発動後の副作用があったりして、見世物くらいにしか使えなさそうな
ガッカリさ加減がいいんですよね~(;´▽`A``

img065.jpg

コジカが能力を発動して、影のような姿になっているのを「裸だ」と言われ、
必死に否定するコジカも可愛いこの作品、妙に脱力する小市民的な超能力ものとして、
悪くない作品でしたよ。ヽ(‘ ∇‘ )ノ


小原愼司さんのHP → 施療院島
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コメント 2

madi

能力をあまり活用しない主人公というのは、藤子F先生のドラえもんやエスパー魔美以降の日本的伝統かもしれません。

by madi (2011-04-28 05:33) 

meriesan

なるほど。やはり藤子さんの影響はやっぱり大きいんですかね~ヽ(‘ ∇‘ )ノ
by meriesan (2011-04-29 08:25) 

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