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南くんの恋人 [恋愛]


改訂版 南くんの恋人

改訂版 南くんの恋人

  • 作者: 内田 春菊
  • 出版社/メーカー: 青林工藝舎
  • 発売日: 2004/06/26
  • メディア: コミック


「あいしてるようん」

私が毎回拝聴しているpodcast 「tomiyanのgd×2ゲームらじお」の
71回放送分にて紹介され興味が湧いたので読んでみました

ある日突然身長が16cmになってしまった女子高生のちよみちゃんとその恋人・南くん
南くんの部屋に住み着いたちよみちゃんとの奇妙な共同生活が始まります

雑誌ガロにて連載
その後3度テレビドラマ化もされている作品です
ほわほわして可愛らしい絵柄 ドールハウスに住む小さくなった恋人と
「右手が恋人」というキャッチでアニメ化もされた「美鳥の日々」を思い浮かべましたが
ヒヤっとするようなリアリティのある描写が印象的です

世間的には「失踪」したことになっている ちよみちゃん
彼女自身のたっての願いで 小さくなってしまったことは二人だけの秘密
南くんは1人では何もできなくなってしまった ちよみちゃんのため
ご飯をこっそり残して食べさせてあげたり 手縫いで彼女の服を作ってあげたり
一緒にお風呂に入ったり もちろん排便などのシモの世話も甲斐甲斐しくすることになります
ちよみちゃんが小さくなってしまった理由は明かされず
元に戻る方法も分かりません
二人は時々けんかしながらも絆を深め合って歪な生活を続けていきます

img109.jpg
好きあっているからこそ続けられる
好きあっているけれどできないこと
身体の繋がり ありていに言って「せっくす」の問題も外せないファクターです
「結局身体かよ」 とか言われてしまいそうですが
でもでも 二人が好きあえば好きあうほど「せっくすができない」という決定的な事実は
狂おしく二人を苛みます
風呂場で小さくなった彼女の裸を見ている南くんが
「どうしてもエロ本の通信販売の広告にのっている
バイブレーターの人形をおもい出してしまうのだった」
と述懐している部分は 彼女の身体に欲情しつつも
結局その思いを遂げることはできない 切ない言葉だなあと思います

作者の内田春菊氏は
「この作品 自分は「小美人ポルノ」だと思ってたのに 読者からは
『これってプラトニックな恋ですよね?』と手紙が来る」
とあとがきでふれられているそうで (Wikipediaより)
私も「プラトニックな恋」 という表現が肚にすとんと落ちてきました

この生活はいつまで続くのか?
あるいは一生続くかもしれない気の遠くなるような二人の生活
彼女を愛してはいるものの 時折別の普通の女の子に誘惑されたり
自分がいなければ生きていけない ちよみちゃんを人形のように
思ってしまい自己嫌悪に陥ったり
あっさりとした絵ですが 南くんの述懐は綺麗ごとでは
済まされないリアリティがあります

そして唐突に迎える二人の最後―
TVドラマでご覧になった方も 是非読んでいただきたいなあと思います

内田春菊氏のblog → 基礎体温日記Ⅱ
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