みしかか! [コメディ]
みしかか! ヨシノサツキ短編集(ガンガンコミックスONLINE)
- 作者: ヨシノ サツキ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: コミック
坊ちゃん ガンバリスト
宝月財閥の跡取り息子 宝月肇10歳。
彼はとある花屋の菜々子さんに恋をしている。
でも少年の大真面目な告白はまじめに受け止めてもらえず「ごっこ遊び?」と言われてしまう始末…
「例の薬ができました。坊ちゃん―」
ある日少年の付き人・三神からもたらされた吉報。
「なにっ アレができたのか!?」
子ども扱いされてしまうことに悩んでいた少年は、その言葉に愁眉を開いた。
それは1回使うごとに10歳年を取る薬「テンプラス」!
(これがあれば 奈々子さんと対等に話せる!)
早速使用するや薬は正しく効果をあげ、少年は20歳の青年に…!
「坊ちゃん。薬は10分間で変身が解け、1日に変身できる回数は4回までです。」
チャンスは4回―
肇少年は、見事菜々子さんのハートを射抜くことができるのか―!?
長崎の離島にやってきた青年が、島の元気娘達に翻弄されるハートフルコメディ「ばらかもん」
その作者のヨシノサツキさんのデビュー作と描き下ろしを含んだ短編集が発売されました。
「みしかか!」という言葉は「短かっ!」みたいな意味の方言だそうです。
どれもこれも「ばらかもん」と同じく畳み掛けるようなギャグと、
最後にふわっと着地して締める物語が魅力。
ばらかもんの女の子s、美和とタマも出てきて非常ににぎやかな短編集ですね。
お話は描き下ろしを含めて9篇。
主に年の差男女のスラップスティックコメディが多いかなという印象。
それといくつかのお話のヒロイン達がクロスオーバーしていて、ラストの描き下ろしで
ヒロイン達の後日談的が語られるのが〆として良い感じです。
中でも10歳のとある財閥のお坊ちゃんが、花屋のお姉さんに惚れて
年を取る薬を飲んで好かれようとする話「宝月謹製10+」と、
中学生にも間違われるようなちんちくりんな女子高生が、
体当たりで背の高いイケメンの八百屋の男子と付き合う
「パプリカ・ピーマン・トウガラシ」の2編がお気に入り。
「宝月謹製10+」は青年の姿になった坊ちゃんが菜々子さんにお近づきになろうとするのを
付き人である三神と、怪力メイド娘の鈴木嬢の慇懃無礼コンビが邪魔してきたり
いいところを見せようとしてトラブルに巻き込まれたりと、薬の時間制限と回数制限の条件が
焦りを呼んでドタバタになるところが設定をうまく活かしていていいですね。
最後はショタの美学である少年の一途さが光る終わり方でいいですよ~w
「パプリカ・ピーマン・トウガラシ」は、もうラストのオチの意外性に尽きます!
よく考えたらありえない…w とツッコまずにはいられないものの、最初は
「そうきたか やられたー!」
と素直に受け取らせるのは、そういうオチで良かった!と思える素敵なものだったからこそ。
最初に描かれる止められない自転車で坂道をくだり、八百屋の青年にぶつかる場面からずっと
恋に恋するパワフル少女のノンストップラブコメになってます。
それ以外にも誰もかれも思い込んだら一直線の女子
(一部「子」じゃない方もいますがw)が特徴のお話が多いかな。
一直線だからそのヘンっぷりもなかなかのものです。
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