夢色パティシエール [ハートフル]
知らなかった…
自分が作ったケーキをよろこんでもらうのってこんなにうれしいんだ―!!
天野いちごはケーキ大好き14歳。
デパートのケーキフェスタで偶然出会ったパティシエ・アンリ先生にその才能を見出され、
いちごは彼が講師を勤める製菓学校の名門・聖マリー学園でスイーツの勉強をすることに。
しかし家でお菓子を作る以外は全くの素人のいちごは、あまりのレベルの低さに
実習で大恥をかいてしまう。更には同級生にその甘い考えを叱責されたいちごは
思わず教室を飛び出し、誰もいない調理室で1人練習を繰り返すのだった。
「こんなんじゃ この学校に入れてくれたアンリ先生にあわせる顔がないよ…」
この学園にはスイーツ精霊(スピリッツ)がいて、その姿を見た者は夢が叶うと言われている…
「スイーツ精霊さん どこかにいるなら姿を見せてよ あたしケーキが上手くなりたいの!」
藁にもすがる思いで叫んだその時、いちごの前に宙空からぴかぴかのスプーンと、
それと同じくらいの大きさのちっちゃな女の子の妖精が現れた…!
りぼんにて連載。
日テレ系で日曜の朝のアニメも放映されている、洋菓子作りをテーマにしたコミックです。
この作品との出会いはアニメだったのですが、それがあまりに面白かったので、
原作となるコミックスを購入してみました。
今回はこちらをご紹介します!
お話としては、学園の生徒達の尊敬を集めるアンリ先生に認められた子という触れ込みだったものの
実際は何も出来ないに等しいいちごに、ルームメイトの女の子や、
「スイーツ王子」と呼ばれるクラス内で一目置かれている3人の男の子達に助けられながら
努力の末にすばらしいスイーツを作ることが出来る、というもの。
この作品、何が好きなのかといえば「根性物語」なところなんです。
マスコットキャラクターとして「スイーツ王国」という妖精界から
王国の宮廷パティシエになるための修行ということで
バニラという妖精が味方についてくれます。
ところが魔法で手助けしてくれるのかと思いきや、バニラがいちごにやったことは「熱血指導」!
教えてはくれるのですが、決して物理的に手助けはしてくれないのです。
実際精霊たちは魔法を使って一瞬でスイーツを召還することも出来るのですが、
一切そういったことはせず、せいぜいアドバイス程度で、あとはひたすら応援しているだけ
というところがイイんですよね~
そしてもう一つの魅力が「食べてくれる誰かのために作る」という物語になっているところ。
このスイーツを食べてくれる誰かのために、いちごはそのイマジネーションの豊かさで
食べてくれる人がどうしたら喜んでくれるかということに心を砕きます。
そして技術的にはドヘタクソないちごが、3人の王子達と精霊たちにアドバイスを受けながら
努力して作りあげ、それが認められたシーンで
ドバーーっとこちらの涙腺が崩壊してしまうのです(;´▽`A``
特にいちごが初めて喜んでもらえることの嬉しさを体験した
幼稚園の子へのバースデイケーキを4人でつくりあげるエピソードはもうたまりません。
アニメ版ではオリジナルエピソードが挟まって少し後からになりますが、
原作では2巻の後半から、校内のコンクールである聖マリーグランプリ編が始まります。
個人的には勝ち負けの要素が強く出てきてしまって残念なのですが、
一緒にチームを組むスイーツ王子たちとの友情物語であるとか、
合間に一人ひとりの家族達とのエピソードが盛り込まれていたりして
実際に勝負が開始されるまでにあるドラマがしっかり描かれていますし、
2巻以降のの最後は「番外編」としてグランプリとは全く別のエピソードを入れてくるのは
「分かってるなあ」と思わずにはいられません。(;´▽`A``
男の子に囲まれて多少の恋の予感的な雰囲気になることはあっても
女の子が好きそうなありきたりな恋愛話にシフトしないのもすごく読みやすいかな。
スイーツ王子のキャラ付けも
「チョコが得意な毒舌家だけど本当は優しい子」
「飴細工が得意でフェミニストで薔薇が大好きなナルシスト」
「実家が和菓子屋で将来は和洋を併せた菓子を作るのが夢な面倒見の良いメガネ君」とか
ちゃんと色分けされていて面白いですよ。それに併せた精霊たちの活躍も可愛いですし。
少女マンガも読む、という方には読んでみてもらいたいですね。
アニメ版もいちごの頑張ってる姿がとても良いのでお薦めですよ~
↓おまけマンガ ~集英社2010夏のキャンペーン「ナツコミ」特典の小冊子より
松本夏実さんのblog → 未確認飛行日記
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