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呪力戦隊リクワイヤー!! [ギャグ]


呪力戦隊リクワイヤー!! (今井神短編集) (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

呪力戦隊リクワイヤー!! (今井神短編集) (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

  • 作者: 今井 神
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: コミック


僕らの恥丘は渡さないッ!!!

「ふははははッ 征服だッ!!」
突如街に現れた宇宙からの侵略者・惑星「モヨオス」の王子ゲイリーは高らかに宣言した!
彼は文字通り降って湧いた岩山のような巨大怪獣・ミガデルンを従え、
迎撃に現れた自衛隊の戦闘ヘリを瞬く間に叩き落す。
もはやゲイリーの進撃を止められる者はどこにもいなかった!
「上賀内くん はやく逃げよ!!」
そこへ偶然デートでこの騒動に巻き込まれた
上賀内城(かみがないじょう)と御手洗鏡子(みたらいきょうこ)、
その様子に気付いたゲイリーはたちまち鏡子に一目惚れ、
あろうことかミガデルンによって鏡子は城の目の前で攫われてしまったのだ!
「鏡子ォーッ!!!」
なす術もなく吹き飛ばされる城。
その近くには、鏡子が大好きだと言っていたクマぬいぐるみが転がっていた…
「くそ…好きな女のコひとり守れないのかよ…」
「これを使え」
突如城にかけられた声、それは城の祖父であり、変わり者の科学者・Dr.ピスだった!
「コラじじい どっから湧きやがった!」
「話はあとじゃ!さあ…!」
そう言って祖父が城に手渡したのは、額に「666」のシルシが付いた、
いかにも不幸を呼びそうな呪いの市松人形だった…!
「この呪いの花子さんは 近くのモノに取り憑いて巨大化…もとい!!
 取りつけた物をあくまで科学の力で『巨大ロボ』にしてしまうというモノなんじゃ!!」
カッ―!!
花子さんと名づけられた呪いの人形がクマのぬいぐるみに触れた瞬間、
まばゆい光と共に、巨大化したそれは誕生した!
呪力ロボ・リクワイヤー見参!!!

ウルトラジャンプなどに掲載。
今井神さんといえば、2003年から今も続き、2009年にアニメ化もされた
異能力バトルもの「NEEDLESS」の作者さんとして有名な方です。
私が氏の漫画を読んだのは、その「NEEDLESS」連載開始によって中断した、
当時ネットで有名になっていた「あんごろもあちゃんの地球侵略にっき」という
Webコミック以来ということになります。
カラーはアニメ調で、派手なアクションとギャグ&パンチラ美少女といかにも男の子向け!な
作品を描く今井さんですが、今回の短編集はその「NEEDLESS」の連載を得る前に描かれた
作品が主に集まっており、当時連載を得るために試行錯誤しながら様々なバリエーションを意識して
描いたというSFロボットもの、時代劇、サスペンス、剣と魔法のファンタジーものの
6篇が収められています。
その中でも、デビュー1年目の2001年頃に本誌に急遽空きができたために代理を頼まれ、
1週間の突貫工事で描き上げたという「呪力戦隊リクワイヤー!!」と数年後に描かれた
その続編2話を含めた合計3篇の物語が特に面白かったのでご紹介しようと思います。

img958.jpg

お話としては実に単純で、ある日突然宇宙からやってきた惑星・モヨオスからの侵略者たちを
呪い科学の力で巨大化したクマの人形ロボ(中身はきちんと人が搭乗して
操れるようになっている)によって城と鏡子、そして変人科学者のDr.ピスの3人が
なんだかんだで撃退するというノンストップスラップスティックコメディ。
1作目が作られた際は経緯が経緯だしデビュー1年目の今から10年も前の絵なので
描きこみの省略が所々(特に怪獣・ミガデルン)目立つのですが、
しかしテンポの良さと勢い、そしてそのための力技の派手なギャグが、
熱血ロボットSFものの絵柄で展開されるこの物語は、「よくぞ一週間でここまで…」
と思わせられるセンスの良さを感じます。
その後2007年に描かれた2、そして2011年の3とベテラン漫画家としてレベルアップした
今井さんの手になる続編は、1でやった「オヤクソク」を踏襲しているだけに、よりアツく、より派手に、
…そしてより下品に正常進化したことが良く判ってこれまた面白いんですよ。

img959.jpg

NEEDLESSもバッチリ読んでるファンの方は勿論お薦めなのですが、
随分ご無沙汰してしまっている私のような人がいれば、特に面白いだろうなあと思えるのは
各作品の後に今井さんが当時の状況や作品を描くに至った経緯などを添えている
1ページの作品解説ですね。特にリクワイヤーに対する思い入れは格別のようですし、
2001年当時、今ではアタリマエになっている、普段のシリアス絵の中にギャグの時
デフォルメ化をするという手法が、当時の編集部では理解されず、その必要性を事あるごとに
説明し続けていた、みたいな逸話があったりして、この作品の裏で今井さんが
考えていたこと、そして今とは違う今井さんを取り巻く環境が興味深いんですよね。


今井神さんのHP → Imaikami's Official Website
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