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さすがの猿飛 [コメディ]


さすがの猿飛 (1) (MF文庫)

さすがの猿飛 (1) (MF文庫)

  • 作者: 細野 不二彦
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: 文庫


神風の術~~~っ!!

私立忍ノ者(しのびのもの)高校―
表向きは普通の高校を装ってはいるが、裏では高度に情報化された現代において情報収集、分析のエキスパートである忍者を養成する機関として知られていた…
その忍ノ者高校に転入してきた猿飛肉丸(さるとびにくまる)は、背が低く超肥満体、大食漢でそのうえスケベというおよそ忍者らしからぬ風貌と性根を備えていたが、学校随一の術の使い手として、そして校長の愛娘である才女で学校一の美少女と名高い霧賀魔子と公認の相思相愛の仲であった。
今日も仲良く二人が登校してくる。
「神風の術~!」
『きゃああああ~~!!』
…そして肉丸の巻き起こす忍術によって今日も女生徒たちのスカートがめくりあげられ、怒った魔子によって肉丸がどつきまわされるのもこの高校のいつもの朝の風景なのであった…

増刊少年サンデーにて連載。文庫版は4巻で完結。
本日は1980年~1984年に連載され、TVアニメ化もされた細野不二彦さんのマンガをご紹介します。
いやもう今回は俺得な話になってしまうのですが、私はこの「さすがの猿飛」のアニメが大好きだったんですよね~!あと同じ細野さん原作の「Gu-Guガンモ」もよく観てました。細野さんの作品では以前「東京探偵団」をご紹介したのですが、幼少期は度々細野さんの作品が私に影響を与えたといっても過言ではありません。
しかしながらアニメでは見知っていたこの作品の原作マンガを拝見したのはこれが初めて。
今でも十分に楽しめましたので採りあげさせていただきます!

話は私立忍ノ者高校という忍者を養成する学校を舞台にした学園ラブコメもので、主に「神風の術」という突風を発生させる忍術を使って女生徒のスカートめくりをしたり、その見た目からは想像もつかない身のこなしで卑しいほどに食べ物に執着する主人公の肉丸と、幼少の頃からずっと肉丸にベタ惚れで相思相愛だが、肉丸の女の子好きな素行に振り回され続ける魔子ちゃんの二人を中心にして巻き起こるドタバタアクションが見もの。
先生や生徒は勿論のこと、肉丸や魔子ちゃんに至っては家族も漏れなく忍者というお家柄なので、何かというと手裏剣と忍術がぶつかり合います。肉丸の家族内では祖父の八宝斎と八宝斎の弟子でもある父・小源太が仲違いしては家中を飛び回ってケンカをし、最後には父が破門されて家を飛び出す風景が他の家族も見飽きるほどに繰り返されていたり、つまみ食いをしようとする肉丸に台所に立つ母のかすみが振り向きざまに出刃包丁を投じて阻止したりと、光線こそ出しませんがドラゴンボール並みの気配の読み合いと高速戦闘が繰り広げられるのです。

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アニメを観ていた幼少の頃の私は、ただただ肉丸君がいつもへらへらしたコミカルな態度で「神風の術~!!」と叫んで色っぽい音楽と女生徒たちの悲鳴と共にスカートめくりをするシーンにドキドキした印象しか残っていなかったのですが(;´▽`A``、原作を今読んでみるとラブコメ部分は少女マンガのような描かれ方をしていて、主人公の肉丸君が心の底では何を考えているのかその外見やヘラヘラした態度からは分かりづらいのに対して、ほっとくとすぐに女の子のところに飛んで行ってしまう肉丸君にやきもきさせられる魔子ちゃんの気持ちが多く描かれているんですね。ていうかもう、「魔子ちゃん、なんでこんな見てくれも悪くてスケベで食いしん坊の肉丸君を好きなんだよ~!」と切なくなるくらいなわけですが、いざ魔子ちゃんがピンチに陥ると肉丸君は何をおいても瞬時に駆けつけ魔子ちゃんをいじめたやつに本気で怒ったり、魔子ちゃんの思い込みで肉丸君に一方的に理不尽な約束事を押し付けても決して破ることをしなかったり、不覚にもトキメいてしまうのです。肉丸君、ナンパな態度は取るけど結局魔子ちゃんが一番!という姿勢は崩さないんですよね。

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そんなだから魔子ちゃんは結局肉丸君が大好きで、お昼になると魔子ちゃんが毎日作ってくるバカでかい肉丸専用弁当を手ずから食べさせてあげるというイチャイチャっぷり。うへぇ羨ましい…!
終盤になる4巻は、少女漫画のラブコメのセオリーどおりに二人の仲を引き裂こうとする両家の親の代からの因縁がたっぷりと展開され、いじらしいほど肉丸君を好きだからこそ肉丸君のもとから去ろうとする魔子ちゃんと、彼女を想って奔走する肉丸君がハラハラドキドキの活躍を見せてくれます。私アニメでも最後まで観たことが無かったのですが、4巻のほぼ最終回でも良さそうな前半のお話に、更にもう1つ後半に愛の試練が襲い掛かってきてもうなんだよ、Gガンダムかよ!ラブラブ天驚拳かよ!って感じです。

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絵柄も文庫版表紙の2003年に描かれた青年誌向けの硬質な細野さんの絵より、1980年代の弾力やふわふわさのある少年誌で描かれていた当時の方が個人的には好み。もうとにかく魔子ちゃんのポニーテールといいすらっとした健康的な脚といい、一途で思い込みが強く、ちょっと嫉妬深い困った性格もまた どストライクなわけですよ!
いやあホント、幼馴染の女の子っていいもんですね!(そんな結論)


さすがの猿飛アニメ版OP → 恋の呪文はスキトキメキトキス
さすがの猿飛アニメ版ED1 → 恋のB級アクション
さすがの猿飛アニメ版ED2 → 忍豚レゲエ
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コメント 2

madi

29歳で夭折した将棋の村山聖9段のあだなが肉丸でした。伝記とかドラマだと彼の漫画オタク部分ははしょれれていました。
 「3月のライオン」の二海堂は彼がモデルです。
by madi (2012-05-26 05:10) 

meriesan

今アニメ化されてるアクセルワールドの主人公とかもひょっとしてそうなんですかね。肉丸くんはそれだけインパクトがあって愛されたキャラなんですね~ヽ(‘ ∇‘ )ノ
by meriesan (2012-05-27 21:48) 

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