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世界の果てでも漫画描き [コメディ]


世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)

世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 (創美社コミックス)

  • 作者: ヤマザキ マリ
  • 出版社/メーカー: 創美社
  • 発売日: 2010/09/24
  • メディア: コミック


私の中の兼高かおるが どうしても行って来いって言うんだもの!!

古代ローマの風呂職人が現代日本にタイムスリップするギャグマンガ「テルマエ・ロマエ」
今回ご紹介するのは、「テルマエ・ロマエ」の著者でもあるさすらいの漫画家・ヤマザキマリさんの、
世界各地での旅の出来事を描いた作品になります。
イタリア人のご主人がいらして、お子さんもいて、それなのに一つ所に留まらず
遊牧民族のように単独で移住する生活を送るヤマザキさん。
テルマエ・ロマエで漫画大賞2010に選ばれた際には、当時滞在していたリスボンから
スカイプ通信を通して授賞式に参加されたというくらい海外を放浪されているそうです。
パワフルで思いついたら一直線な彼女の旅行記は、言葉の壁を越え、
現地にお住まいの方々のミステリアスな魅力に満ちていました―!

officeYOUにて連載。
音楽家の母の元に生まれ、14歳で母の指令で欧州一人旅、
17歳でイタリアに絵の勉強で移り住むという体験をしていて
幼い頃から海外が身近だったヤマザキさん。
「女版裸の大将」になるのが夢だったという彼女は、既に世界約30カ国を
現地で漫画のお仕事をされながら訪れているそうです。
その姿は思いついたら即行動!
うずうずしちゃっていても立ってもいられない性格は実に奔放なもの。
今回の舞台となるキューバでの体験は、幼少の頃から憧れていた
「カリブ海の真珠」と謳われたその国に、
15年前ボランティアで行く機会があったときのことを描いています。

英雄チェ・ゲバラ等の活躍により、独裁政権から自由を勝ち取り
社会主義国となったキューバ。
アメリカ大陸に連なる島国にあって、ソ連の崩壊とともに社会主義の国は
周囲の国々からの援助を受けられず、物資は欠乏していたのでした。
そんな状況のキューバに、幼少の頃の美しい憧れと共に正に身一つで降り立ったヤマザキさん。
しかし彼女がホームステイ先として落ち着いた家は、窓ガラスもトイレの便座すら無い
質素な家に住む大家族!
更にはそのとき家族内で流行っていた風邪に、ヤマザキさんもいきなりかかってしまうのでした。

ボランティアの仕事は、男性にとっても過酷な力仕事、さとうきびの収穫。
食料は基本配給制で、鶏肉などは物資の不足のためホームステイ先の家族の
月収の3倍に吊りあがり、夜には節約目的のため強制的に停電になるというお国柄。
あまりに不自由で過酷なはずの現地の生活も、しかしヤマザキさんの環境適応力と
なにより底抜けに明るくて前向きな大家族の面白エピソードに、少しも惨めさを感じさせません。
夜はボロボロの乗用車に若者がぎゅうぎゅう詰めになってサルサを踊りに
ダンスホールへ繰り出すところが個人的に一番好き。
キューバから帰ってきた後の、大家族からの「お土産」も実に粋で、
現地の人々の温かさを感じられるものでした。
こういう体験したらそりゃどこにでも飛び出すわなあ、と思える素敵なお話でした。

img514.jpg
この本には更に、ヤマザキさんがキューバから帰還の後に漫画家になり、
その駆け出しの時期に描かれた名画の修復師が主人公の読みきり「SPLENDOR!」も収録されています。
ヤマザキさんの体験を読んだ後にその物語を読むと、そのお話に込められた
メッセージが読み取れるような気がして面白いですよ。


ヤマザキマリさんのblog → ヤマザキマリ・シカゴで漫画描き
ヤマザキマリさんと編集さんとのスカイプを通した打ち合わせの様子 → コミックナタリー
ヤマザキマリさんが14歳で欧州一人旅をしたときの体験を綴った漫画 → 涼子さんの言うことには
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