白球少女 [アクション]
野球なんて宇宙一嫌いなスポーツですから!!
「白石円(つぶら)!! オマエは野球部に入るべきなのだ!!」
「絶対に嫌です!」
県立龍ヶ淵高等学校―
とある山間ののどかな高校に、転校生の少女がやってきた。
彼女の名は白石円。
「なんか小っさくてカワイーのが来た」
控えめに自己紹介をする少女に、栗色の髪をした少女、安達晴(はる)は遠慮のない視線を送る。
そして挨拶が済んで、円が窓際の自分の席に着こうとしたその時だった―
ガッ
突然教室の窓ガラスが割れ、白球が室内に飛び込んだ!
しかし驚くべきはボールではなく、それまで大人しかった転校生の少女が、
とっさにその白球を空中で受け止め、そのままロッカーを蹴って反動を相殺すると、
ダイレクトに校庭で野球に興じていた男子に返球して見せたのだ―!
「そこぉ!!大振りするんならもっと球をよく見なさいよねっ! あぶないでしょっ!!」
啖呵を切ってから、少女はハッとして我に返った。
皆の視線を一身に浴びていることに気付いて、曖昧な愛想笑いを浮かべながら
やってもーた…!という表情でその場をやり過ごそうとする円。
「…これは、アイツらが黙ってないかも」
退屈していた日々に嵐を巻き起こしてくれそうな予感…
晴は彼女の友達第一号になることを、このとき決めた―
無料Webマガジン FlexComix ブラッドにて連載。全5巻。
「オマエら、早く野球やれよ!!」 (カトウハルアキ/3巻帯コメントより)
で有名な、野球漫画にみせかけて野球をしない漫画と言われる漫画です。
先日5巻が発売し、「やっぱり野球しないので打ち切られました!!」(帯コメントより)
で完結してTwitterで話題になっていました。(;´▽`A``
1巻から言われ続けて足掛け4年。
看板に偽りありなカンジのこの漫画が妙に気になったので読んでみました。
ヒロインの白石円は、天才的な野球の才能の持ち主。
しかしとあることがきっかけで、野球をすることを嫌い、だから転校した学校で
大人しくしていようと思っていたのですが、結局バレ、万年人員不足で
試合でもロクに勝てた試しのない弱小野球部に入部を迫る部員達との
青春風スラップスティックコメディとでも言うべきでしょうか。
そうは言っても序盤でお話したとおり甲子園をめざして練習に明け暮れたり、
部員同士の意見が割れて夕日の土手で殴りあったり、
変わり者のカントクに何の役に立つのか解らない謎の練習をやらされたりするわけではありません。
お話としては、「野球部」という共通のワクを持つ仲間達が、文化祭やったり
合宿という名のお泊り会やったり、部員の一人の親が経営している旅館で
温泉回をやったりする学園ものです。(;´▽`A``
…いや、一応野球ものっぽい伏線は色々出たんですよ?
ヒロインの円が野球嫌いになってしまった原因のエピソードが
物語全体を貫く話になりそうだったり、部員の一人が中学時代に憧れた先輩が現れ、
試合を申し込んできたり…
でもなんかそういうのは結果的にその場その場で話を盛り上げるためのシーンでしかなく、
それらの伏線がきちんと消化されることはありませんでした。(;´▽`A``
じゃあ一体どんな物語かというと、毎回アホな部員達がバカ騒ぎをする、というもの。
言うなれば 「究極超人あ~る」(古)みたいな… 日常系なお話に終始するのです。
なのでこれから読まれる方は、まずタイトルから得られるイメージを一旦綺麗に消去し、
頭のチャンネルを「日常系学園青春コメディ」に合わせてご覧下さい。
そういう観点で見ると、1話ごとのおバカなノリや、毎回迫力のあるアクションが楽しめると思います。
そして1巻に1回、必ず入れるという入浴シーンも…(;´▽`A``
あとどんなに激しいアクションをしても、決して見えないパンツも。
FlexComix ブラッド「白球少女」ページ(お試しと最終話が読めます)
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