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失踪HOLIDAY [ハートフル]


失踪HOLIDAY (角川コミックス・エース (KCA170-1))

失踪HOLIDAY (角川コミックス・エース (KCA170-1))

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11/25
  • メディア: コミック


わたし 誘拐されることにしたから

父が再婚して私は焦った
なぜなら私は 元々今は亡き母の連れ子だったのだから…

新しい母との口論から思わず飛び出した家出をこじらせ
自分が誘拐されたことにするという 狂言を演じることで
自分がいなくなった家族の本当の想いを知る 爽やかな物語です

月刊少年エース増刊ビーンズエース
月刊Asuka増刊ビーンズエースで連載 全1巻
若くして人気の小説家・乙一氏の原作小説をコミック化したものです
以前ご紹介した「傷」と同じく コミカライズを清原紘氏が手がけています
「傷」とは異なり この作品は随分とラノベっぽい物語で読みやすく
後味も良い作品です

母が再婚することで裕福な家庭を手に入れ わがまま放題に育ったナオ
新しい母との口論の末 思わず家を飛び出した彼女は
それから密かに使用人の一人クニコの住む離れに舞い戻り
逆らえないクニコに 強引にケータイを持たせて
自分が失踪したあとの家の様子を探ります

しかし自分が期待したような大騒ぎになっていない様子に業を煮やしたナオは
自分が誘拐されたことにするという狂言をでっちあげることになります
自分が元々は父の実の子ではないことが 彼女にとっての大きなコンプレックスであり
なんとしてでも自分を捜して必死になってほしい という願望が
子供らしい 浅はかさをもって暴走します
あれ?ちょっとやりすぎたかな?と 思った後の行動も実に浅慮で
でもすっかりそれに騙されている父や そして新しい母が
実はナオにどんな思いを抱いていたのか―
そこが見どころになります

img241.jpg
そしてこのお話 結局単なる家族物語だけでは終わりません
そこはミステリーで名を馳せる乙一氏 最後の最後で
この誘拐事件に意外な後日談が付いてきて 「あーそうくるか」と唸ってしまいました
お話の本筋からすればおまけ的扱いですが
それがより一層この物語の後味を良いものにさせる
ミステリー+ラノベのうまい掛け合わせ的作品だと思いました


乙一氏のblog → 乙一小説再生工場
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