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そこをなんとか [コメディ]


そこをなんとか 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

そこをなんとか 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

  • 作者: 麻生 みこと
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2008/03/05
  • メディア: コミック


他人の災難が飯の種だ 身内なら尚更まず最初に頼られる 覚悟がないならやめておけ
それより ソレを取り除いてやれる立場を喜べば?


極貧で学生時代にお水のバイトをしていた改世楽子。
子供の頃から「弁護士は儲かる」
と親に聞かされた彼女は、夢叶い何とか弁護士になったものの、世は司法制度改革。
新司法試験によって大量の合格者を出したため合格したけど就職できない人が続出。
ギリギリの成績で試験に合格した楽子もまた、がっぽり儲けるどころか就職が決まらず仕舞いだった。
そこで楽子はキャバ嬢時代に「就職が決まらなかったら雇ってやる」と口約束した所長を頼って
零細個人事務所に押しかけ就職することに…
キレ者先輩弁護士・東海林らと、様々な事情で司法の門戸を叩く人々に新米弁護士が挑む奮闘記!

メロディで連載。
「路地恋花」 「天然素材でいこう。」などの著作がある麻生みことさんによる
新米弁護士・改世楽子(愛称・らっこ)を主人公にした法曹界を描いたマンガになります。
今回の作品は当ブログにコメントを寄せて下さった madiさんのお薦めで知り、拝見してみました。

どこか呑気でふわふわした雰囲気と、社交的でありながら現実的でちゃっかりした面もある楽子。
押しかけて「弁護士先生」になった期待とは裏腹に、思いのほか儲からない現実にぶつかりながら
毎回様々な依頼者の案件に人情家でもある彼女らしい切り口で解決していくという物語。
ゲーム「逆転裁判」でも出てくる弁護士の華とでもいうべき裁判での弁護を担当することもありますが、
どちらかといえば「遺産相続」や「親権」「セクハラ」など、依頼人と相手との間の示談で
解決するものも多く、ちょっとしたご近所トラブルも含めて実にバラエティに富んでいて面白い!

このマンガを読むと当たり前な事ですが、裁判になる、もしくはその手前までいくということは
基本人と人との(主に)感情のもつれがこじれてしまった結果なんだなあというのがよく分かります。
情が移りやすく自然と相手に寄り添うような性格の楽子ちゃんは、法的な見地を持ちつつも、
どちらかといえば一所懸命相談者と相手との「仲直り」を支援するようなアクションを起こすことが多く、
それを事務所の先輩であり、切れ者の東海林先輩が嫌味は言いつつも、暴走しがちな彼女の
法的な手続きや、依頼者がより多くの利益を得られるような抜け目の無いアドバイスなどで
サポートをする形で進行していきます。

弁護士の意外な懐事情も描かれていて、2話では国選弁護人としてなんやかやあって
なんとか依頼人の裁判をこなしたものの、あれこれと調べて時間や経費をかけ過ぎたあまり
時給に直すとやるせない金額になって愕然とするというオチがついているなど
案件が舞い込んでくるたびに、そして刻々と状況が変化していくたびに
所長や東海林、そして楽子達が依頼人、ひいては自分達に入ってくる報酬を計算して
一喜一憂するというシーンが数多く出てきてこれがリアルでコミカル。

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そして起きてしまった事件に対する「賠償金」や「慰謝料」、そして「懲役の長さ」を争う、
無機質で事務的な数字のやりとりだけではなくて、
若い女性の新米弁護士である楽子を信用してくれなかったり、
依頼人の演技を信じ込んでしまった楽子が、想定外の依頼人の姿を
係争中の相手から見せ付けられて愕然となったりしながら、
弁護士に依頼したことで自分の都合のよい結末を用意してくれると思い込んでいる依頼人を
一所懸命諭していくシーンも多く、依頼人の人生に深く関わるドラマになっています。
お薦めですよ~

私としては特に泥沼に陥った大人の事情に振り回される子供が出てくるお話はツボでした。(;´▽`A``


麻生みことさんのHP → マトリョーシカ
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