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エロ漫の星　[燃え] [編集]

作者: 金平守人
出版社/メーカー: 少年画報社
発売日: 2010/12/24
メディア: コミック

童貞の妄想力は100万回のSEXにも勝る!!
そう…　エロ漫画家とは夢幻の住人なのだっ

金平守人（38）　童貞　夢はプロの漫画家。
彼は153ページもの渾身のエロ漫画「アヤコのアソコ」を描き上げ、
今、まさに漫画編集部に投稿しようとしていた…！
「まてーーーーーい！！」
金平の部屋に突如として表れたスーツ姿の女性。
驚く間もあらばこそ、その女は彼の原稿をその場でぶちまけた！
「ぎゃーーー！！」
悲鳴をあげて原稿を必死にかき集める金平。
原稿をぶちまけた女は、それが漫画を描き上げたは良いものの、
今まで鳴かず飛ばずだった男の、妥協の産物であることを鋭く見抜いていたのだ。
そして金平が童貞であることを知るや、彼女はこう言った。
「合格よ…！今日からオマエのペンネームは『クソ虫ゴロ太』だ。
そして!!私と共にエロ漫画家の頂点を目指すのだ!!」
これは、素人当然の一人のエロ漫画描きが
『エロ漫画の星』を目指して成長していく　愛と！勇気と！！
迸る汁とかなんかそういう物語である！！！

ヤングコミックで連載。全2巻。
本書は2部構成となっていて、エロ漫画家を目指す素人同然のクソ虫ゴロ太（38才・童貞）が、
突如部屋に乗り込んできた謎の熱血女との激しいボケツッコミを展開しながら
エロ漫画のテクニックを教わっていく、2話1エピソード構成の読みきり連作の「入門編」。
そして「入門編」である程度テクニックを会得した男が、著名なエロ漫画の先生の
アシスタントに行き、そこで様々なエロ漫画への考え方を学んで、自分の作品へと
昇華させていくまでを描く連載形式の「実践編」となっています。

上巻の「入門編」では「おっぱい」や「おしり」勿論「あそこ」の描き方まで
今までにないエロ漫画に関わるテクニックが謎の熱血女による指導という形式で
紹介されているのがユニーク。
特にエロいシーンを盛り上げる「擬音」の表現手法に関する回では、
他の作家さんの実際の漫画などから集めてまとめて紹介されていて、
その表現手法の多彩さにあらためてびっくりしました。
とはいっても「漫画テクニックの解説本」のような教科書ぽいものではなく、
あくまでもエロ漫画のテクニックを「ネタ」にした、ボケツッコミのコメディ的な内容になっています。
奥深い表現手法の数々に「へー」と興味をそそることはあっても、
これを読んで自分もレベルの高いエロ漫画が描ける
というわけではさすがにありませんので、その辺はご承知おきください。(;´▽｀A``
毎回謎の女が放つ、やたらアツいキメ台詞は、エロ表現の極意が
スケールの大きな高尚な言葉で言い切られていて、すがすがしくて笑ってしまいますｗ

下巻の「実践編」では一転して住まいを喪い、放浪のアシスタントとなったクソ虫さんが、
エロ漫画に対する姿勢や考え方が真逆の2人のエロ漫画界の人気作家のもとで働き、
大いに影響を受けて遂には念願のプロデビューをするまでの姿が描かれます。
相変わらずのコメディ主体の物語なのですが、こちらはまともな熱血（えろ）まんが道。
慢心し一旦どん底に堕ちてからのV字逆転劇のシーンなどは、
連載漫画ならではの盛り上がりがあって、上巻とは違ってこれまたいいんですよね～
…なんだろう。えろ漫画も（当然ですが）色々あるんだなあ。
「自分の漫画でヌける漫画家」とか、さすが売れっ子漫画家だ！とか思っちゃいましたｗ

金平さんといえばあちこちに「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦さん風や、
「魁！！男塾」の宮下あきらさん風など、著名な作家さんのキャラクターを
パロって自分の漫画に描くことが多く「そんなパロディ大丈夫か？」などと思いつつ
実に絶妙なタイミングではさんでくるのが笑いどころです。
そしてこの作品には、雑誌に投稿し続けて20年という知る人ぞ知る「投稿神」こと
三峯徹さんがところどころネタとして引き合いに出てきたりもします。

エロ漫画というテーマの性質上、成人コミックに分類はされていないものの、
どうしてもそれに近い下ネタやエッチなシーンが沢山描かれます。
しかし上巻はエロ漫画にまつわるトリビアとして、下巻はエロ漫画で連載を勝ち取ろうと奮闘する
熱血（えろ）まんが道として、漫画家のエッセイ本とか好きな人なんかは
楽しめるんじゃないかなあと思いますよ。

2010-12-25 05:51 nice!(0) コメント(4) トラックバック(0)
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