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チュウチュウカナッコ [青春/自分探し]


チュウチュウカナッコ

チュウチュウカナッコ

  • 作者: あらい あき
  • 出版社/メーカー: 青林工藝舎
  • 発売日: 2010/08/30
  • メディア: コミック


明日も~ポツネン~

70年代も終わりの昭和―
とある商店街にある中華料理屋・福々軒で働くカナエカナコ(23)は、
貧乏で少しコミュニケーションが苦手な女の子。
周囲の空気を読みすぎて嫌われるのが怖くて言いたいことが何も言えない…
そんな彼女と彼女の周りの人々による、ペーソス溢れる物語です。

アックスにて連載。
舞台俳優であり、井口昇監督映画『クルシメさん』(97年)や、
『恋する幼虫』(03年)などの主演作もある一方で
アックスマンガ新人賞奨励賞に選ばれ、途中の中断を経て
10年かけてまとまった あらい あきさんの作品です。
昭和の情緒溢れる商店街の道の真ん中で、なんとも冴えない表情をしたカナコが
あんぱんの袋を抱きしめてポツネンと立っている―
このなんとも物悲しい雰囲気と、「昭和」という時代がぐっと興味をそそりました。

好きなんですよね~ 昭和(;´▽`A``
福々軒の髪型をリーゼントにした店主の兄ちゃんや、ダイヤルチューニングのラジオ
喫茶店、レスカ、レーコー、商店街ののど自慢大会、シークレットブーツ…
私はもうちょっと若い世代になりますが、今から見るとダサかっこいい感じのテイストがたまりません。
その中で主人公のカナコは、そういった周囲の同世代の若者達の文化から取り残されたように
ひたすらポツネン~と目立たぬよう、波風をたてないように振舞います。
例えば一話では、初めてのラーメンの出前でうっかり代金を貰い損ねたカナコが、
結局強く言えずに、かといってそれを正直に報告することも出来ずに、
代金をもらったフリをして自身の財布から払ってしまう、というくらいに。

img451.jpg
周囲の人達はそんなカナコを面白がったり、こっそり賄いのチャーハンを袋に入れて
持ち帰っている様を見て不憫に思ったり、時には世間知らずの彼女を
利用しようとする輩が出てきたりします。

貧乏で世間知らずでコミュニケーションが苦手で…
著者のあらいさんは最初、彼女を自分と重ねて描いていたそうです。
しかし2004年に一度中断をしてから5年後の2009年に再開してからは
彼女自身の心理描写だけではなく、店主の兄ちゃんとその友人達がメインのお話も
多く描かれるようになり、明らかに世界が拡がっていきます。
感覚としては新聞に載ってる漫画みたいな、強烈な引きや山あり谷ありの物語ではないけれど、
ところどころクスっとさせられる漫画です。
巻数のナンバーはありませんが、あらいさんはこの先もカナコの世界を描いていかれるそうで、
是非この先も読んでいきたいなと思える作品でした。
昭和な世界がお好きな方にはいいと思いますよ~


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