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海街diary [ハートフル]


海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/04/26
  • メディア: コミック


降るような蝉の声もかき消すことができないほど すずちゃんの泣き声は激しかった

鎌倉に住む3姉妹の元にもたらされた訃報
それは15年前に家族を捨て別の女と失踪した父のものだった
長女の幸に代わって 渋々三女のチカと共に山形へやってきた次女・佳乃は
そこで父と女との間に生まれた腹違いの妹・すずと出会う―

鎌倉を舞台にした 4人の姉妹と彼女達に関わる人々とのハートフルストーリーです

月刊flowersで連載
「成澤大輔の『マンガを読むので忙しい!』」にて紹介されて気になったので読んでみました

今のところ1巻だけを読んだのですが私が好きなのは
何と言っても最初の表題作「蝉時雨のやむ頃」でした
今回はここをクローズアップしてご紹介します

父の葬儀に参列するため 駅に降り立った二人を出迎えたのは
父と女の間に生まれた中学生の すずでした
年齢の割りにしっかりした口調のその少女は母を亡くしており
今は悲嘆にくれる父の三番目の奥さんになった女性と その連れ子達を支えているのでした

自分の殻に閉じこもってすっかり一切を叔父や すずに押し付けている奥さんを見て
佳乃は 父が失踪してから程なくして自分達を祖母に押し付けて出て行った 自分勝手な母と
両親に捨てられ幼い妹達の母代わりにもならざるをえなくなった姉の幸を重ね合わせ
もやもやとした静かな憤りを感じていました

img150.jpg
翌日 夜勤明けで山形にやってきた姉・幸が 悲嘆にくれる奥さんに代わって
参列者へのあいさつをこなす すずを見てとるや 奥さんに言い放ったセリフがかっこいい!
「これはおとなの仕事です!
 (中略)おとなのするべきことを子供に肩がわりさせてはいけないと思います」

早々に葬儀を切り上げた3姉妹は その後あることで
ようやくに 「父」の死を実感するに至ります この辺は折角なので伏せさせていただくとして

「無責任な大人に都合よく面倒を押し付けられた子供」と
「でも悔しいけれど優しかった親を憎み続けることができなかった自分」
同じような経験をしてきた幸が すずをいたわる言葉のひとつひとつが
とても優しく じんわりときます


母にもそして父にも死別してしまったスズは
その後3姉妹が住む鎌倉に身を寄せることになります
そこから展開していく別のお話も
また様々な人間模様が描かれていて面白いです
これはぜひ既刊も集めようと思える作品でした

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