COMITIA94 同人誌感想1 [同人誌即売会]
即売会名: コミティア94
開催日: 2010/11/14
メディア: コミック
本日は毎回恒例になりつつある創作系同人誌即売会コミティアで購入した
同人誌のご紹介をしようと思います。
今回のコミティアは「拡大スペシャル」と称して、いつもの即売会としてだけではなく、
会場内企画として「マンガ専攻大学・学校オープンカレッジ」という、
マンガを専攻する学部で教える教授たちが登壇して、
プロを目指す学生達に普段行っている授業に似た形式で講義が開かれたり、
キャラクターの描き方やペンの使い方など、実習を自由に行える場があったりしました。
それ以外にも出版社から編集部の方がやってきて、その場で作品を評価してもらえる
コミティア恒例の「出張編集部」も規模を拡大して行われていたりして、いかにも創作系らしい
プロを見据えた企画が目玉でした。
私も事前にチェックしたサークルさんで買い物を一通り終わったところで
早々に少ない資金が底をついたので、折角だからと講義を2本ほど拝聴させていただきましたが
マンガを教えてもらう学校といえば「代アニ」くらいしか無く、資料を取り寄せたら
親にいかにも胡散臭げな顔をされた私の高校時代では考えられないくらい
しっかりした看板を掲げていらっしゃるようで、今学ばれている方が
本当に羨ましいなあと思いました。(;´▽`A``
とはいえ10ウン年後に生まれついていなくても、創作活動をする人はするし、芽が出る人は出ますし。
却ってこの出版不況の最中では、大学を卒業して職業としてのマンガ家で食べていけるのか、
学部が設けられるほどライバルがひしめきあっている今の人たちの方が大変なのかもしれないなあ
などと取り留めの無いことを思ったりもしました。
さてさて、長くなりましたのでとりあえずこのくらいにして今回も私が購入した
同人誌の感想をご覧いただければと思います。
名称未設定。
「ひみつ」
裁縫にお菓子作りにガーデニング…
「初心な文学少女」
それが他人から見た私のイメージ。
でも刺繍が施された手作りのバッグの中には、こっそり本当の「私」を隠し持つ。
誰も気付かない。でも万が一誰かが気付いたら そのとき私は…
言い出せないけど気付いて そんな自分を受け入れて欲しい
いかにも文学少女らしい乙女さが可愛い今回の新刊。
後半の流れも何もかもたまらなく乙女で うぅ~ん!と身悶えしちゃいます(;´▽`A``
キュンキュンきます。
「もめんと」
「いちいち反応がめんどくせぇよぉ」
古書店で偶然見つけた希少な本。
思わず買い物をするはずだった なけなしの食費をはたき、
喫茶店のおかわり自由のコーヒーだけでそれを読む時間は
空腹を抱えていながらも至福の時間だった。
そのために友人の誘いを断ることになっても仕方が無い。
彼らの理解は得られなかったが…
自分がマイノリティ側であることへの自負。
多数に迎合する気になれなくて、つい孤高を気取ってしまう気持ち、わかりすぎます。(;´▽`A``
STARTREK
「銀貨の旋律 第一楽章」
2007年から続いているシリーズの1~4話までをまとめた総集編のようです。
1860年あたりのイギリスを舞台にしたファンタジーアクションで、
街で万屋を営む「僕」っ子セシリア嬢が、とある仕事で偶然
駆逐鋭機(ククロ)と呼ばれる自動人形「伯爵」の主になるというもの。
設定はローゼンメイデン、アクションはヘルシングに似ていて
「伯爵」は一見紳士的なアーカードみたいな感じ。(;´▽`A``
他の作品に似てはいるけど、絵は巧いしセシリア嬢は可愛いし、
伏線が若干見え見えではあるもののお話もきっちりまとまっていて読み易いです。
「伯爵」が事有るごとに自分を人間扱いするセシリア嬢を「興味深い」と言い、
セシリア嬢は時に人間の常識を踏まえず効率的にことを進めようとする伯爵に
毎回ツッコミをいれつつ、淡い恋(?)のような感情を持っている様子。
伯爵がことわざ好きだったり、駆逐鋭機達がオルゴールに紐付けた設定がなされていたり、
ローゼン、ヘルシングいずれかを好きな方、Fellows!系統のお話が好きな方なら
男性でも全然違和感なく楽しめる作品でした。
それにしてもセシリア嬢可愛いなあ。
著者さんのHPにて通販受付されています。
Kで会うならば
「さらば、やさしいゆうづる」
ブラジャーが原因で彼氏と別れた―
幼い頃に母親と死別し、誰もが自然と親から身につけられるはずだった
色々が抜け落ちてしまっている少女。
周りの大学の知り合いたちとは明らかに異質な自分。
でも、しょうがないじゃない…
そんな彼女に、マンションの隣に住む、子供の頃から何かと気にかけてくれる
7つ年上の青年(ロリコン)が「その人の本当に欲しいものが入っている」箱を渡す。
それはただの空き箱で、だけど毎日それを開けるとそこには赤いビー玉がひとつずつ入っていて…
お話作りも絵も非常に高レベルにまとまった作品です。
なんたってお隣のお兄ちゃんが失恋直後の少女を元気付けるため
進んで道化を演じる姿がつかみとしてもその後の展開としても面白い。
少女の特殊な家庭の事情が原因で、出口が見えなくて、孤独で、
ひたすらうろうろするばかりの少女に、ウザがられながらもひたすら底抜けの明るさと
親のような小うるささで接する青年。いやー イイ。
愛、愛だなあ 恋ではなく、愛だなあ。
書店委託もされるようです。詳細は著者さんのHPにて。
「ひとつめは木曜になく」
毎週木曜日になると、なぜか心が弱っている人に取り付く一つ目の虫が視える じゅん と はるか。
笑顔の他人に見える心の翳り。
「助けてあげたい」と思わず声をかけてしまう はるかに、
「人の心がわかった気になるなよ」と じゅんが警告する。
視えないほうが良いこともある―
あえて目をそらし続け、心を殺すじゅんは、ある木曜日、
自分にひとつ目が全く視えなくなってしまっていることに気付く…
前回コミティアの見本誌読書会に参加された方の票を、最も獲得したのがこの作品。
隠したい他人の心の闇が視えてしまう二人。
視える、ということに対して対照的な行動を取る二人の対比と、
互いを思いやる友情物語でもあるストーリーが実に爽やか。
視えるがゆえに、母親が自分も意識してなかった体調不良を言い当てたことに驚いたり、
視えなくなった じゅんが、はるかの変化に鈍感になっていたことに気付いたり、
視えることが、逆にそれ以外の部分を盲目にしてしまい
無神経だと思っていたはるかの行為が違って視えてくる変化が面白い。
クライマックスはうわあ…ってなります。
「メガネがあるのでみえますん。」
天才超能力少年、という触れ込みで預言者として今TVで大人気のカエデ。
しかし超能力なんて真っ赤なウソ。
そんな彼が、ある日街中で真っ裸の記憶喪失少女に出会う物語。
自分のウソの予言に涙を流して感謝する人達。
若干のうしろめたさを感じるカエデに、少女が言った言葉が…
タイトルにもなっているメガネをもう少し前に出して欲しかったかなという感じですが、
TVに映る預言者を演じる自分を眺めながら、謎の少女との会話で進行していく本作。
少女との会話の一つ一つが物語上のフックになっていて無駄が殆ど無い構成なのはスゴイです。
この前にご紹介した2作よりも本作は前に発行されたもの(2010年5月)ですが、
この作品と比べると絵的にものすごい進化をしていてびっくり。(;´▽`A``
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