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鬼灯の冷徹 [コメディ]


鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

  • 作者: 江口 夏実
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/23
  • メディア: コミック


何でもかんでも私に回してくる

今回ご紹介するのは「あの世」の「地獄」のお話―
地獄と一口に言っても、そこは八大地獄に八寒地獄、
それらは更に二百七十二ほどにも細分化される正にあの世の一大企業。
そこへ戦後の人口爆発に呼応するように亡者があふれ返り、おまけに(貞子とか)悪霊も凶暴化。
それらを態度は堂々たるものだが、処理能力的にはダメダメな上司(閻魔)に代わって捌くのは
大王の片腕として各所を飛び回るスーパー能吏・鬼灯様!
今日も今日とて地獄の各部署から持ち込まれる無理難題を
文字通り鬼の辣腕でバッサバッサと斬り捨てる、
そんなてんやわんやの地獄のコメディでございます。

モーニングにて連載。

リーダーはカリスマなんだけどアテにはできず、困りごとは全てデキる上司に集中してしまう…
地獄を広い広い会社に見立て、態度は慇懃だけど、時折上司にサラっと悪態をついちゃう
毒舌家の能吏・鬼灯様を主人公にしたコメディ。
序盤は現実のサラリーマン生活でも見られるようなデキる中間管理職の奮闘記のような話なんですが、
後半は天の桃源郷に住まう鬼灯様と犬猿の仲の天界人が出てきたり、伝説の地獄の名所を
コメディタッチに解釈して登場させたり、歴史上の偉人とかが出てきちゃったりする、
どことなく聖☆おにいさんぽいカンジに。

img163.jpg

個人的には1,2話あたりの妙に会社じみた社会が形成されている地獄の様子を描いた
エピソードが好きで、昔ちょっと鬼を退治して有名になっちゃったものの、それを鼻にかけて
今はゴロツキ同然になってしまった桃太郎一味のトラブルを、鬼の辣腕であっさり追い詰め
うまいことして他の懸案事項と同時に解決してみせる鮮やかな手並みが描かれたり、
我が物顔で部署を牛耳る「お局様」が出てくるあたりは「あ”-こんな人いるいる…(;´▽`A``」
ってかんじのやたら共感できるエピソードが出てきます。
社食(?)らしきところで閻魔と食堂のテレビでクイズ番組の
「世界不思議発見」を観ながらミステリーハンターの女の子が好みだの、
ムツゴロウさんがなんだのと、常に目は鋭くムスっとした表情でにこりともしない鬼灯様が、
その表情のまま地獄の主・閻魔大王とフツーのどうでもいい雑談するところとか好きですねえ。

img164.jpg

背景とか集中線などの漫画的表現はまだまだ雑で厳しいところはありますけど、
主役の鬼灯様などの美青年の絵や、絵本に出てくるような桃太郎の下ぶくれた
平安や室町時代の人っぽい顔つきとか、部下の鬼達のキャラクターの絵は
きちんと描けているので、興醒めせずに楽しんで読みきることが出来ました。
なにげに鬼灯様を始めとする地獄のスタッフに気さくに話しかける腰の低い
閻魔大王様が私は結構好きです。

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