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四月は君の嘘 [恋愛]


四月は君の嘘(1) (月刊マガジンコミックス)

四月は君の嘘(1) (月刊マガジンコミックス)

  • 作者: 新川 直司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/16
  • メディア: コミック



「さよならフットボール」の新川直司さんの新連載「四月は君の嘘」が単行本化されました。
当ブログでは以前雑誌での第一話をレビューしましたが、
1巻分を読んでの感想的なものを書き連ねていこうかと思います。

月刊少年マガジンにて連載。
かつてコンクールで最年少優勝など数々の賞を受賞し、
神童と呼ばれその将来を嘱望された有馬公正(ありまこうせい)。
しかし11歳の秋、ピアニストであり彼の厳格なる指導者でもあった母親を亡くしてから
公正は唐突にピアノを弾けなくなってしまった―
以来公正の再起を強く願う隣の幼馴染・椿や、
サッカー部の親友・渡(わたり)らに囲まれながらも彼の観る世界はモノクロのまま…
元々母親の為に続けていただけの、好きでもなかったピアノから離れても、
別の趣味を見つけて青春を謳歌するでもなく、かといって完全にピアノから離れることもできず、
どっちつかずのまま14歳の春を迎えたある日、友人の付き添いで行ったデートが彼の運命を変える。
性格最低、暴力上等、作曲者に盲従しない破格のヴァイオリン少女・宮園かをり―
彼女に出逢ったその日から、公正の日常は色づき始めていった…

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音楽を題材にしたボーイミーツガールものである本作。
かつて“ヒューマンメトロノーム”とまで言われた母親譲りの正確かつ厳格なピアノで
数々の賞を獲得したものの、母親の死と共にピアノを弾けなくなった公正が、
正確さに囚われない奔放な演奏をするかをりに出逢い、惹かれてゆく物語です。
それまで精密機械のように演奏することを至上と考えていた公正が、
全くむちゃくちゃなんだけど惹きこまれる かをりのヴァイオリンを聴いて、
自分の価値観が突き崩されていくような不安を感じつつも惹かれてしまう、
そんな不思議な魅力を持った彼女に出逢うことになるのです。

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14歳らしい未熟さや純情さのある「のだめカンタービレ」みたいな感じでしょうか。
人間関係としては一捻りあって、ヒロインの かをりは公正の親友であり、
サッカー部のモテモテ男子・渡君が好き。
なので公正とかをりと渡で三角関係になっています。
それが他人に惹かれる初めての感覚に戸惑う公正君にとって
ピアノの演奏と同様に簡単にはハッピーエンドを迎えられそうに無い
彼の未来を感じさせてくれます。

渡君が中でもいい男でしてね~ 真っ直ぐで純情な椿からはとっかえひっかえ
女の子と付き合う「女の敵」と彼の軽薄な態度に眉をひそめますが、
公正が かをりに惹かれたことを正確に見抜き、自分もかをりを気に入っているにも関わらず
「無理かどうかは女の子が教えてくれるさ」
なんて気障ったらしいような、意外に淡白ともとれるようなアドバイスを送る姿とか、
他人を思いやれる余裕のある男なんですよ。
女の子サイドから見たら
「渡君は私をどうでもいいと思ってるの?」と取られかねない発言ではありますが、
それが前作「さよならフットボール」と同様、友達思いの気持ちの良い青春って感じなんですよね。

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お話は、あることでピアノを封印している公正の豊かな才能を感じ取ったかをりが、
自分のコンクールの伴奏者として渋る公正を猛烈なアタックで巻き込んでいくことになります。
公正の為にピアノを弾かせたい椿と組んで、強引に誘うシーンはコミカルで面白く、
公正が前作のヒロイン・希と同じく「キャー!」と叫びだしてしまうあたり、吹いちゃいますw

そんな狂騒的でコミカルな仲間達のアクションと、時折挿入される公正の、
どこか客観的で一歩引いたような静かなモノローグのコントラスト、
そして かをりの方も何らか抱えるものがあるようで、四人でわいわいとやってはいるんだけれど
どこか静かで切ない予感を感じさせる雰囲気。
2巻では序盤の一盛り上がりがきそうな流れになっていますので、期待できると思いますよ。


エキサイトに掲載された新川直司さんのインタビュー
 → 足りないのはLOVEとヤンキー『四月は君の嘘』新川直司インタビュー前編

YouTubeでは講談社が公式に物語のあらすじと作中の挿入曲が聴けるファイルをアップしています。
これってなかなか嬉しい工夫ですよね。併せてどうぞ。



ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第9章「クロイツェル」 第一楽章(抜粋)


モーツァルト きらきら星変奏曲


サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ
(2巻のネタバレを含みますのでそれでも良い方だけどうぞ)
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コメント 2

kunpoke

こんばんは。コメントはちょっと久しぶりですがブログは毎日チェックさせてもらってます^^

縁があって「さよならフットボール」を読ませていただいたお陰で、本作もチェックして手に取る事が出来ました。
「四月は君の嘘」バッチリはまってしまいました!

1巻から盛り上がりが素晴らしいですb
今続きに凄い期待している作品の一つになりました。
by kunpoke (2011-10-12 00:16) 

meriesan

どもどもです。はまれましたか!
今作も青春と情熱とコメディのバランスがいいですよね。
2巻も待ち遠しいですね~
by meriesan (2011-10-12 02:41) 

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