宇宙賃貸サルガッ荘 [SF]
宇宙の墓場 サルガッソー
その宙域に迷い込んだら最後 生きて還れた者はいないという
そしてそれはそこに棲まう 魔女の仕業であるという
宇宙での戦闘で気を失っていたテルが目覚めた場所は
唯一の生還者だと嘯くひいじいさんの物語に出てきたサルガッソーだった
そこでテルは 自身を魔女と名乗る美少女 メウと
サルガッソーにぽっかり浮かぶ 箱庭ほどの小さな星に建つ
木造アパート「沙流我荘(さるがそう)」の住人達に出会う
月刊Gファンタジーにて連載し 完結しています
私が購入したのは2009年末に発行され新規描き下ろしを含めた新装版になります
著者のTAGRO氏が非常に思い入れの強い作品であると仰っていて
可愛らしいキャラの絵で気になったので読んでみました
めぞん一刻(古いな(;´▽`A``)のような一つ屋根の下に住む個性豊かな
アパートの住人ものに SFを足したカンジのSFラブコメですね
「諦めの悪い男の話を描いた」
と表紙の折り返しでTAGRO氏が述べているとおり
主人公のテルは 何とかこのサルガッソーから脱出しようとしています
しかしどれだけ飛行しても結局うまくいかず
とうに脱出を諦めた もしくは端から考えていない沙流我荘の住人たちの
騒がしい日々に巻き込まれていきます
風邪に似ているサルガッソー特有のウィルスにかかる話
宇宙から飛来した巨大な氷塊を迎え撃つ話など
キャラこそTAGRO氏の丸くて可愛らしい絵で描かれていますが
シチュエーションはSF小説のそれで
画も宇宙空間のベタに 細くて白い縦線が入っており
TAGRO氏のポップな絵柄にレトロSF風な落ち着いた雰囲気が漂っています
一方でアパートのほうは四畳半・風呂トイレが共同
畳の下が漬物置き場になっている部屋があったり
どこかからやってきた食材で普通の日本人的食卓がでてきたりと
壮大なSF世界からすかさず こじんまりした日々のドタバタみたいな話になったり
氏の他作品である「変ゼミ」のような毒っ気はほとんど無く
今まで苦手意識があった私でも これはまともに読める(失敬!)
マンガだなあと思えました
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