土曜ワイド殺人事件 [コメディ]
とり 「こ…これをもとに本編のネームを切れと?」
ゆうき 「おねがいしますよー」
後に「湯けむり女子大生混浴露天風呂殺人事件」と呼ばれるその惨劇は、
とある温泉旅館から幕を開けた―
谷川岳を臨む水上のとある温泉で、東京からやってきた女子大生が遺体で発見されたのだ。
死因はマンガに使用されるペンで胸を一突き。ほぼ即死の状態だった…
「現場の状況はいじってないね?」
「もちろんであります!」
翌日おっとりがたなで駆けつけた一の倉沢警察署の捜査1係・田子二毛作巡査部長は、
普段は静かな温泉街に降って湧いたような事件にひっかかるものを感じていた。
それというのも、先日谷川岳の雪渓から「ベレー帽をかぶった男性の遺体」が発見されたばかり。
水上に今、なにが起きているのか…
「デカ長やられました!うめめ山荘で第3の死体が!」
「なにぃっ!?」
慰安旅行に来ていた漫画家アシスタントの同様の手口による死。
そして事態は更なる惨劇をむかえる…!
土曜ワイド殺人事件「湯けむりOL三人組秘湯混浴連続殺人」
製作快調!
とり 「副題が最初と違うような…」
製作快調!
少年キャプテンで連載。全1巻。
1995年から同誌上で連載がスタートした
「機動警察パトレイバー」のゆうきまさみさんと
「クルクルくりん」の とり・みきさんの共作となります。
今日Book Offでセールやっていて偶然見つけましたヽ(‘ ∇‘ )ノ
タイトルから想像がつくと思いますが、本作は「土曜ワイド劇場」や
「火曜サスペンス劇場」などの2時間ドラマを題材にした、ミステリーコメディとなっています。
なので「湯けむり温泉」 「全裸で死んでる女子大生」 「連続殺人」 「ラストは崖」
などのオヤクソクをおさえつつ、全力でパロった内容になっています。
共作ということで、本作の完成までには
ロケハン(二人) → 予告作成(ゆうき氏) → 予告を基に本編のネームを作成(とり氏)
→ ネームを基に下描き(ゆうき氏) → ペン入れ(とり氏) → 完成!
と二人の間を何回も往復していて、当然毎回細かい打ち合わせなんてやっていられないので
相手の投げてきた内容には一切文句を言わない!というルールがあったそうです。
いやあ いいなあこういうのw
きっと自分の投げた原稿が相手から返ってきて 「こうきたかぁ~!」 なんて唸っちゃうことが
度々あったんじゃないでしょうか。
プロでバリバリ働いているお二人の悪ノリっぷりがコマの端々から垣間見え、
死因はペンで一突きだの、とある売れっ子漫画家とアシスタントが慰安旅行にやってきて
色々騒動があったりとか、女子大生の裸の遺体をやたら激写する鑑識の面々とか、
警部が温泉からあがって下半身ブリーフ姿でかっこつけたりとか、
毎回あちこち激突せずには止まれないパトカーとか、
連続殺人事件を題材にしながらあちこちに おちゃらけが入ってくるんです。
そりゃ とり・みきさんは元々ギャグマンガがメインの方ですし、
ゆうきさんだってパトレイバーの前には「究極超人あ~る」というコメディを描いていましたので
まあそういうわけなのです。
お話は少年キャプテンが廃刊になるまでの
第1部の「湯けむり連続殺人編」、2部の絶海の孤島を舞台にした「遺産相続を巡る殺人事件」に、
描き下ろしの第3部として「温泉列車(車内に温泉施設がある)内での殺人事件」を加えた3部構成。
後にドラゴンHGにて連載された京都での事件を描いた第4部が加わって
「新・土曜ワイド殺人事件」として単行本化もされているようです。
毎回出てくる「刑事とその部下」 「事件に居合わせる女性」 「物陰から様子を伺う陰気な青年」は
共通していて、たまたま偶然事件現場で再開して話が進行していきます。
…まあそんなわけですので、事件の真相もまた推して知るべしという感じ(;´▽`A``
もうとにかく このパロディを楽しむマンガです。
なんかのネタにでも 読んでみたらいいんじゃないかな みたいな(;´▽`A``
ゆうきまさみさんのHP → ゆうきまさみのにげちゃだめかな?
とり・みきさんのHP → TORI MIKI'S BLOG
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