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まぐばぐ [コメディ]


まぐばぐ (バンブーコミックス)

まぐばぐ (バンブーコミックス)

  • 作者: 東屋 めめ
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2011/04/27
  • メディア: コミック


ぎちぎち ぎちぎち

人の姿そっくりに擬態したキャラクターというと、
例えばそれは宇宙人であったりして、人知れず犠牲者を喰らったりする
役割で出てくることがあるじゃないですか。
タチの悪いものだと、美女に擬態して男を誘い出し、
服をまくるとそこには牙の生え揃った口があらわになったり…
綺麗なバラには棘がある的な、ホイホイ騙される男のあはれみたいなものを
感じさせるひとつの象徴的なキャラクターだと思います。
さて、今回は「少女の姿に擬態した羽虫」と、それを飼う事になる
男子高校生の4コマをご紹介します。
愛らしい幼女の姿をした、それの頭の中はひたすら喰欲。
虫たちに翻弄される姿が笑えるんだけど笑えない、そんなお話でございます。

月刊まんがライフMOMOで隔月連載。全1巻。
某国で発見された体長20cmほどの新種の羽虫とその幼虫…
現地から日本のマンションで独り暮らしをする弟に向けて
その虫を研究している姉が送った荷物の中に、虫が混入していたことから騒動が始まります。
羽虫の方は頭に触覚、背中に生えた4枚の虫の羽で部屋中を活発に飛び回り、
幼虫の方はだぼっとした服を着て、食べる時以外はぼーっとしている。
共通するのはとにかく喰欲。
食い意地が張っていて、そのマンガのほとんどが、人並みの味覚を持った虫と
心ならずも虫たちの飼い主になった高校生・ヒロシの、食べ物をめぐった攻防が描かれます。

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どこにでも潜み、隙あらば手当たり次第食べ物を喰い散らかす愛らしい虫たち…
人並みの嗜好があるので、よくヒロシのご飯を食べてしまっていたり、
昼飯で弁当箱を開くとすっかり食べきってしまった虫たちが入っていたり、
逆に虫だと思ってスイカの余った白いとこをやったりすると、怒ってたたきつけたりしますw
好物のクッキーをひたすらほおばる姿は可愛いのだけれど、ヒロシが自分のご飯を食べられ
orz となっている姿を見て してやったりのニヤリ顔になったり、箱の中に押し込められて
ギーギーと抗議したり、かといえば食べ物を持ってくる時やおねだりする時だけ
やたら媚びて甘えた声をだしたりと、まるでわがまま放題のお子様のような所業。
ヒロシは駆除するほどに思い切れず、油断すると部屋のかじれる物はなんでもかじってしまう
虫たちに日々頭を悩ませながら、甲斐甲斐しく食べ物を与え続けるのです。

相手の様子を正しく認識し、表情を変え、意思表示をしてくる人の姿をした虫…
それはもはや虫並の知能とは言い難い、ある種の生物兵器です。(;´▽`A``
帰国してヒロシと暮らすことになる姉が、研究者らしくどこかぽややんとした口調で
ナチュラルに虫ピンで止めて標本にしようとしたり、虫食い草のウツボカズラを
近づけてみたりすると、ヒロシが咄嗟に止めてしまう、みたいなシーンがいくつも出てきたりして、
一番被害を受けているハズの彼が、いざとなると虫たちを庇ってしまうのです。
最後は虫たちが要因で恋人が出来たりハッピーエンドなわけですが、
某国の研究所へ虫を連れ帰った姉に対して、ヒロシが虫への愛着を語ったシーンは
作者が違えばこれがそっくりそのままホラーになるセリフだけにゾクッときました。

img078.jpg

昨年あたりに擬人化ブームというのがあったのですが、その中で話題になった同人誌に、
ゴキブリを可愛い少女にして、優しい貧乏学生と出会うという筋のお話もありました。
人の姿をした異生物との生活に、あなたは幸せな生活を想像するでしょうか、
それともホラーな展開を思い浮かべるでしょうか。
私の中では「怪作」という位置づけに、このマンガはなりました。(;´▽`A``


東屋めめさんのblog → 蛸壺記
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