四季賞2011春 ~月刊アフタヌーン付録 [青春/自分探し]
さあ今回は恒例のアフタヌーン四季賞を採りあげようと思います。
マンガ単行本でもなく同人誌でもないこのマンガ賞という舞台には、
他とは異なる「自分のマンガをプロの世界で認めてもらいたい!」
というエネルギーを毎回感じる気がします。必殺の気合い的なものを。
それだけに読み手であるこちらも著者が込めに込めたメッセージを
どれだけ読み取れるかが問われているかのようであり、
中には数回読んでも意図が読みきれないのもあったりして(;´▽`A``
あらためてあとがきの担当編集さんのきちんと読み取った上での辛口のコメントとか
拝見するとその凄みを感じたり、それに比して自分の読み取れなさにがっくりきたりしています。
それほどに四季賞の小冊子を読むのは毎回刺激的で、かつ緊張感を強いられる楽しみです。
今回はどのような作品が受賞したのでしょうか。
それではご紹介してまいりましょう…!
げんしけん 二代目の壱 [青春/自分探し]
ハト×マダ… アリだな…
今回のマンガは個人的に首を長くして待っておりました。
遂に単行本化しましたね~ げんしけんの続編!
前作の主人公笹原君の卒業後を舞台に、新たなメンバーを加えて
「あの」荻上を会長に再スタートするげんしけん。
今回もアニメやマンガのパロディがそこここに配されたオタクカルチャーがふんだんに登場し、
新旧のキャラクターたちも相変わらず「『普通の人』とは少し違う」趣味を持つ自分に
コンプレックスだったり、プライドだったりを抱えながら同じ趣味を持つ仲間達と
わいわいやっていく姿が描かれます。
それでは早速、二代目のげんしけんをご紹介してまいりましょう!
A SCENE (武富智短編集) [青春/自分探し]
A SCENE (武富智短編集) (ヤングジャンプコミックス愛蔵版)
- 作者: 武富 智
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/03/20
- メディア: コミック
なんて日だよ…
バカだ
バカだね
バカでしょ?(;´▽`A``
そんな男たちが出てくる短編集A SCENEのご紹介です。
武富さんの描く主人公はなんと不器用な人たちばかりなのだろうか。
でもそのバカが付くほど真っ直ぐな姿が羨ましい5つの物語。
ご紹介してまいりましょう。
ココロコネクト [青春/自分探し]
もし…その身体が人格の入れ替わりで曖昧なものになってしまったら?
我々は我々として存在し続けることが出来るのでしょうか?
一通り読んでこのマンガの読後の感想は「ほふーん」という感じでした(;´▽`A``
男女入れ替わりの物語、通常は男女二人の間で起きるというシチュエーションの多い「入れ替わりモノ」。
それこそ美少女ゲームあたりであれば、おまけのシナリオとして見かけるなあと。
それが「文化研究部」に集まった仲良し5人組(男2人、女3人)の間で短時間に
ランダムで起こるという部分が、あまり見ないところといえばそうなのだけれど、
よくある「男子が自分の体になってしまった女の子の体でエロいことしちゃう」
みたいな話ですよね、とかる~くしか思わなかったんですね。
でもちょっと記事を書き起こすにあたって調べてみたら、意外と深い話らしくて…(;´▽`A``
見方ががらっと変わって面白そうなお話だなと思い直したのでご紹介してみますね。
冬の終わり、青の匂い [青春/自分探し]
冬の終わり、青の匂い (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
- 作者: 百名 哲
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/05/17
- メディア: コミック
多分 ボクが一番最後まで あなたを見送ったんだと思う
本日は現在雑誌Fellows!で「演劇部5分前」という青春マンガを連載中の
百名哲さんの、デビュー作を含めた初期短編集をご紹介します。
この本はTwitterのフォロワーさんからお薦めを頂きました。ヽ(‘ ∇‘ )ノ
イラストのように美しい絵柄を描く作家さんの多いFellows!において、
どちらかといえばコミックビーム寄りの、ややギャグマンガちっくで
記号的なキャラクターを描く方であり、初期はそれこそお話作りも
筋と骨ばかりが見えて私としては今ひとつだったのですが、
その中で「聴こえてくる歌」 そして「桜の頃」が異様に物語としての厚みを感じる
素晴らしい作品だと思いましたので、採りあげてみようと思います。
“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ) [青春/自分探し]
“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ) 1 (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 高坂 りと
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: コミック
ご覧のとおりの“文学少女”よ
シンと輝く真っ白な木蓮の下で ぼくは“文学少女”天野遠子先輩に出会った―
(今どきあんな長い三つ編みも珍しい 大人っぽく見えるけど上級生かな…)
長いまつげに細身のかんばせ。木蓮の木の幹に背中を預けて物静かに
赤いカバーの本に目を落とす姿は、どこから観ても文学少女のそれだった。
思わず見惚れてしまうような幻想的な光景…
少女の白魚のような指が、ページの端に伸びる。
…しかしめくるかに見えたその指は、ページをめくることはなかった。
あろうことかそのままページの端を千切り取り、少女の口に運んだではないか―!
(えええええ??)
今度は少女のあまりに意外な行動にその場で固まっていると、
ふと こうべをめぐらせた少女と目が合ってしまった。
「み 見たわね」
耳まで真っ赤になって本で恥ずかしそうに顔をおおった“文学少女”は、
どこぞの妖怪のようなセリフを吐く。
「えーと えーと …ゴメンナサイ」
そしてぼくはといえば、少女から目を逸らしてそんな言葉を返すのが手一杯だった…
群緑の時雨 [青春/自分探し]
まんがかぞく [青春/自分探し]
まんがかぞく 一家4人全員漫画家(1) (アクションコミックス)
- 作者: 大島 永遠
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/03/12
- メディア: コミック
「えーい もう好きなように描け」(by 大島やすいち)
父は少年・青年漫画家
母はレディスコミック漫画家
長女は青年漫画家
次女は四コマ漫画家―
「おお、なるほど。一家全員漫画家ものできたか。
(帯を見て)ちゃんとそれぞれ『らしい』絵柄で描き分けられているなあ」
私がこのマンガを本屋で見かけた時の印象はこんな感じでした。
家族4人をそれぞれのマンガジャンルに割り振った創作だと思ったんですね。
しかし さにあらず。この家族は実在しております。(;´▽`A``
父は 大島やすいち
母は 川島れいこ
妹は 三島弥生
今回はそんな漫画家一家の長女・大島永遠(とわ)さんによる、
マンガを通して繋がる家族史的な自伝マンガをご紹介します。
椿色バラッド [青春/自分探し]
あなたはいま 悩んでいることや苦しんでいること… なにかない!?
刻は大正 所は東京―
華の帝都の女學校に、可憐な少女がやってくる。
「愛染 椿と申します」
腰まで届く緑の黒髪、矢羽の小袖に名前と同じ椿色の袴―
転入早々、愛らしい椿さんにくらすめいとの少女たちは色めきたった。
―しかし、休み時間には先を争うように熱心に話しかけられていた彼女は、
放課後には誰かと連れ立って下校するものも無く、ただ独りになっていた…
果たして椿さんは、流行りものに次々と飛びつく移り気な少女たちにもてあそばれた犠牲者か…?
いやいや、その原因が椿さん自身にあることは、彼女のらんらんと輝く大きな瞳が物語っていた。
そしてその瞳は今、同じくらすめいとで同じく独りで下校しようとしていた、気弱そうな少女をとらへる…
「ねぇっ!あなたはいま 悩んでいることや苦しんでいること… なにかない!?」
「…な…ん…やみって…? せ…成績が悪くて困ってます…とか…?」
「…違うわ そういうのじゃなくってよ」
突然の詰問に、大いにうろたえながらもようやく絞り出した答えを、椿さんはにべもなくダメ出しし、
ますます狼狽する少女に理想の条件を提示する。
「“誰か”に助けてもらわないとどうにもならない
そんな“救い”を必要とするほど困っている“悩み”“苦しみ” 私が助けるわ!」
それが愛染椿と気弱な少女…前田かの子の運命的な出会いだった…
僕らのナムコ80'sトリビュートコミック [青春/自分探し]
僕らのナムコ80'sトリビュートコミック (CR COMICS DX)
- 作者: COMIC RUSH編集部・編
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2011/03/07
- メディア: コミック
ああ…思い出した
高校の頃ゲーセンで「ゼビウス」をやり込まなかったのは
オレには難しくって先に進めなかったからだ
私が初めてプレイしたナムコ(現・バンダイナムコゲームス)のゲームは「ゼビウス」だったと思います。
その頃ゲームといえばハイスコアを狙うものだったシューティング全盛の時代。
連射がニガテだった当時小学生だった私は、ボタンを押しっぱなしにしても連射をしてくれる
垂涎の外付けコントローラー「ジョイボール」を親にねだりこんで一緒に買いに行ってもらいました。
…結局ジョイボールは大人気で手に入らず、諦めようという親に、
しかしあまりの悔しさで「手ぶらでは帰れぬ」と代わりに買ってもらったのが「ジョイスティック」。
そしてそれを活かそうと友人から借りたのが「ゼビウス」でした。
やたら敵の弾速が速く、私の今でも鈍くさい反射神経では1ステージ目のボス
「アンドアジェネシス」が倒せず、程なくして無敵コマンドの裏技を知るまで
ずっと1ステージだけを繰り返し遊んだのを憶えています…(;´▽`A``
「マッピー」「ドルアーガの塔」「スカイキッド」…アクションもシューティングも苦手で
大して先の面まで進めずじまいのゲームばかりではありましたが、
なぜか同じステージを繰り返し遊んでも飽きさせないゲーム性と中毒性のあるBGMが
今でもたまに無性にさわりたくなる魅力に満ちています。
今回ご紹介するのは、そんな80年代のナムコが発売したゲームを題材に、
プロのマンガ家さん達が持ち寄ったトリビュートコミックをご紹介します。