Aquarium [ハートフル]
生まれる前からずーっと見守ってきたよ…
杢子(もくこ)は魚と話ができる女の子。
おばのしずかと一緒にいるときは水の中のふわふわした人たちも視えてくる。
「お前は面白いかたちで目が固まってるらしいなあ」
「こちら」では杢子の家の金魚だが、「あちら」では豊かな髭を蓄えたおじいちゃんが
しずかを観て驚いたようにそう言った。
ゆらゆらとした水の中のような魚たちの世界。
物心つく頃には視えなくなってしまうはずの、そこは全ての生命たちが集う母なる海―
HEART SUGAR TOWN [ハートフル]
Heart sugar town (YOUNG JUMP愛蔵版)
- 作者: 桜瀬 琥姫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2001/04
- メディア: コミック
We wish your Merry X'mas!
ようこそ!キュートでピースなリトルタウン・ハートシュガータウンへ!
この街の一角にある砂糖菓子のように美味しそうなお家。
そこにはトルテ・ショコラ・リコッタという仲良し3人娘がおりました。
ポップでお菓子な3人娘はいつもドタバタ!
彼女達が織り成すおかしかったり悲しかったり元気一杯の物語を
あなたも少し覗いてみませんか…?
えんじがかり [ハートフル]
あ…あんまり上手く…いえないけど 僕は…えんじがかりだから…
僕はずっとえんじと一緒に歩くから
新学期が始まって 僕は「えんじがかり」になりました。
えんじは遠い国からやってきた「ねこみみろぼっと」で、
えんじがかりの仕事は、えんじと一緒に暮らしながら
人間の社会の習慣や常識、人との関わり方を教えること。
そしてエネルギーを送るため、僕とえんじは一日のうち何度も手を繋ぐのです。
「えんじ、朝食できたからそろそろ兄ちゃん起こしてきて」
両親は既に亡く、ウチは兄ちゃんと団地で二人暮らしだった。
だからちょっと手のかかる妹ができたようで、僕は少しだけ―
少しだけ このままずっと「えんじがかり」でいられたら…と思いました。
パーマネント ~まんがの詰め合わせ~ [ハートフル]
「お前は毎日私の嫌いな漬物を供えていたな 苦行を与えてやろう」
久々に書店でIKKICOMICS rareレーベルの本を買いました。
普段マンガをレーベルで判別することはないのですが、キャッチコピーが帯ではなく
表紙にそのまま刷られ、しかもページ数が通常の単行本と比べると少なめ
(160~180頁?)なのと、相対して高い価格(800円台)、加えて絵に独特のクセがある
私の知らない作家さんが多いということから、微妙に冒険するにはリスクが高く、
レーベルスタート直後の「東京アサイラム」と「白い本の物語」を拝見してからは、
なかなか手が出せませんでした。
しかし今回は
「おお?」
と本屋で思わず目を惹いた「土星マンション」の岩岡ヒサエさんの短編集じゃないですか。
ボツボツした布地のような表紙に、刺繍されたようなタイトルの表紙。
土星マンション自体は残念ながら拝見したことは無いのですが、
温かみのある表紙に思わず手が伸びたのでした。
今回はこちらをご紹介します。
伊藤潤二の猫日記 よん&むー [ハートフル]
チュッチュしろ!! さあ俺にもチュッチュしろ
伊藤潤二。職業・ホラー漫画家
本日はホラー漫画家による猫エッセイ漫画という、実に異色な猫マンガをご紹介します。
伊藤潤二さんといえば、過去こちらで渦巻きに町全体が侵食されていく狂気を描いたホラーマンガ
「うずまき」をご紹介しましたが、その陰うつな絵柄はそのままに、新居の一戸建てに引越しをした機会に
2匹の猫を迎えた夫婦の猫萌えライフが描かれています。
…どうですか、想像つきますか?
ホラーの絵柄で萌え漫画… これが通常の可愛らしい猫漫画とは一味違って面白いんです。
月夜のお曜 [ハートフル]
たまにゃ側に来ねぇかい? こんな月の晩くれぇはよ…
長屋の熊吉爺さんが死んだ。突然の事だった。
何かと口うるさくはあったが、身寄りの無い自分を可愛がってくれ、
親とも思っていた隣部屋に住む火消しの秀は、だから葬儀の翌晩には
新たな住人が入ってくると聞いて眉をひそめた。
全く整理されていない爺さんの家財道具もそのまま使用するというほど
あまりにも突然のことに、秀が大家に食ってかかっていると
熊吉の部屋の戸がすぅっと開いて、中から見慣れぬ女性が姿を現した…
「皆さんの気持ちも考えずに…すみません でも…今さら他に行くあてもございません」
それはその場に居た一同が一瞬にして静まるほどの目も覚めるような美人だった。
憂いを帯びた顔(かんばせ)、きちっとした身なりながらも、その艶然として肉感的な、
それでいて瑞々しい体つきが着物越しにも伝わってくる様子に、一同は息を呑む。
「なーに 気にすることないよ熊吉さんだって美人(べっぴん)さんに入ってもらえて
きっと喜んでると思うよ…」
途端に鼻の下が長くなる一同。
しかし、秀はどうしても新たな隣人となったお曜を素直に受け入れられずにいた…
夢色パティシエール [ハートフル]
知らなかった…
自分が作ったケーキをよろこんでもらうのってこんなにうれしいんだ―!!
天野いちごはケーキ大好き14歳。
デパートのケーキフェスタで偶然出会ったパティシエ・アンリ先生にその才能を見出され、
いちごは彼が講師を勤める製菓学校の名門・聖マリー学園でスイーツの勉強をすることに。
しかし家でお菓子を作る以外は全くの素人のいちごは、あまりのレベルの低さに
実習で大恥をかいてしまう。更には同級生にその甘い考えを叱責されたいちごは
思わず教室を飛び出し、誰もいない調理室で1人練習を繰り返すのだった。
「こんなんじゃ この学校に入れてくれたアンリ先生にあわせる顔がないよ…」
この学園にはスイーツ精霊(スピリッツ)がいて、その姿を見た者は夢が叶うと言われている…
「スイーツ精霊さん どこかにいるなら姿を見せてよ あたしケーキが上手くなりたいの!」
藁にもすがる思いで叫んだその時、いちごの前に宙空からぴかぴかのスプーンと、
それと同じくらいの大きさのちっちゃな女の子の妖精が現れた…!
くくりゃんせ [ハートフル]
支えてくれる人が近くに居るのに 僕は温もりよりも寒さの方に捕らわれて
さあさあ 寄ってらっしゃい見てらっしゃい
世にも華麗な“いちまさん”菊華様のお目見えだよ―
笑わない 少年
「あの日」から少年は泣いたり笑ったりすることがなくなった…
そんな少年・シンを元気づけようと、恋人同士になったばかりの喜一とアイは、
シンを話題のショーに誘った。
紅絲(べにいと)座・人形楽団
それは、まるで生きてるかのように舞い、踊る人形達の宴。
あまりに華麗な見世物に、観衆は惜しみない歓声を送った。
「長らくお楽しみ頂いてきた見世物も次で最後となります―」
そしてその宴の最後に現れたのは、目にも鮮やかな和服に身を包んだ美しい1人の少女…
市松人形の菊華様だった。
その美しさに、明らかに場の男達の空気は一変した。喜一でさえも息を呑んだ。
会場を一瞬にして虜にする麗しき人形。
しかしシンの目には、その口元に冷たい微笑が浮かんだように見えた…
ちはるさんの娘 [ハートフル]
花もて語れ [ハートフル]
花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 片山 ユキオ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: コミック
そして作者や登場人物の思いがみんなに伝わった時…
それは読み手であるハナちゃんの思いが、みんなに伝わったってことだ!
声に出して本を読む。
それは物語の感動を人と共有しあうということ―
極度のアガり症で失敗続きの新人OL佐倉ハナは、
新人研修初日からつまづいて落ち込んでいたその日、
どこからともなく聞こえてきた詩を朗読する声に惹き込まれた。
その恋歌は難解な言葉遣いなのに、なぜか優しくも切ない初恋の情景を思い起こさせる…
そうしてハナは「藤色朗読会」の人々と出会った。
「物語の楽しさを『声』に出し、皆でわかちあうこと。そうするとお話はもっと楽しいですよ」
そう言って柔らかくわらう和装の令嬢、藤色きなりさん。
その姿にハナは、小学生時代のほんの数日、
こっそり学芸会のナレーションの指導を通じてハナに朗読の楽しさを教え、去っていった
思い出の先生の姿を思い浮かべるのだった―